【坐骨神経痛】反り腰で硬くなる「梨状筋」が原因かも? 痛み改善に役立つ「開脚」を理学療法士が解説
お尻から脚にかけて、痛みやしびれが続く「坐骨神経痛」。シニア世代を中心に多くみられる症状だが、改善のカギは「梨状筋(りじょうきん)」をゆるめることにあるという。そう話すのは、多くの患者を治療してきた理学療法士・松田圭太さん。松田さんが提唱する「MSMメソッド(R)」は、「ゆるめる・鍛える・動かす」を組み合わせ、慢性的な腰痛改善を目指すものだ。そこで坐骨神経痛対策に役立つメソッドを教えてもらった。
教えてくれた人
松田圭太(まつだ・けいた)さん/理学療法士・整痛院ふっか総院長・慢性疼痛徒手技術「MSM メソッド(R)」創始者。理学療法士として、医療現場に長年携わった経験から、慢性腰痛など“3年以上続く痛み”に特化、運動療法と認知行動療法を組み合わせた“整痛”治療院「整痛院ふっか」(https://fukka.jp/)を開業。
「坐骨神経痛」は関節・筋肉トラブル(末梢性)がほとんど
お尻や太もも、ふくらはぎなど下半身を中心に痛みやしびれが出る「坐骨(ざこつ)神経痛」。これは病名ではなく、腰から足先まで伸びる坐骨神経に沿った「症状」の総称だ。
原因となる病名は多岐にわたり、脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)や腰椎椎間板(ようついついかんばん)ヘルニア、脊椎(せきつい)すべり症などだが、根本原因には2つのタイプがあるという。
ひとつは背骨内部での神経圧迫による「背骨トラブル(中枢性)」。もうひとつは背骨から出た神経がお尻などの筋肉で挟まれて起こる「関節・筋肉トラブル(末梢性)」だ。
「手術が必要なのは背骨タイプの一部だけで、多くの場合は筋肉タイプ。その改善のカギになるのが『梨状筋(りじょうきん)』です」(理学療法士・整痛院ふっか総院長の松田圭太さん)
梨状筋は仙骨(骨盤の骨)から太ももの骨まで伸びている筋肉で、坐骨神経が骨盤のなかを通ってお尻に出てくる時に最初に当たる。坐骨神経を踏みつける形になっているため、体の緊張などでここが硬くなると痛みやしびれを引き起こす。
「私の施術でも梨状筋の緊張を解いてあげることで坐骨神経痛が収まることが多い。梨状筋は反り腰による骨盤の前傾で硬くなりやすいので、姿勢をよくするのが一番の治療法です」
メインとなるのは、お腹とお尻の運動療法だ。お尻へのアプローチとして効果的なのが、股関節をゆるめる「開脚」。足を伸ばして床に座り、なるべく腰が曲がらないようにして両足を痛みが出ないところまで開く。
その状態を保ったまま、おへそを地面に近づけるイメージで骨盤から前に倒れるように体を曲げ、30〜60秒ゆっくり伸ばす。太ももの裏や内ももが伸びていれば正しく効いている証拠だ。
一方、下腹部の筋肉を鍛えるには「あし上げ腹筋」が効果的だという。
股関節をゆるめる「開脚」で下半身のしびれ改善をサポート
股関節は人体のなかでも大きな動きに欠かせない大事な関節。この関節が使えないと足腰の負担増に。股関節を動かす最初の一歩がこの運動。
【1】足を伸ばして床に座る。極力ひざが丸まらないようにする。
<ポイント1>腰はピンと伸ばす。
【2】両足を開けるところまで開く(腰に痛みのある人は痛みがない程度まで)。
【3】足を開いた状態を保ったまま、骨盤から前に倒れるように体を曲げる(おへそが地面に近づくイメージで)。
<ポイント2>骨盤から倒して股関節をしっかり曲げる。
【4】股関節の内側が伸びているのを感じるまで体を倒す。30〜60秒ゆっくり伸ばす。
<ポイント3>内ももと太ももの裏が伸びていれば正しく効いている
腹直筋の下部を効率的に鍛える「あし上げ腹筋」
日頃使えていない腹直筋の下部を鍛えるのが目的。下部が収縮できると骨盤を後傾に持っていきやすく、反り腰を改善できる。
【1】仰向けで寝て、ひざを曲げる。あごを引き、指を天井に向けて伸ばす。
<ポイント1>肩の力は抜いて、肩をすくめない
【2】ひざを曲げたまま股関節から足を上げていく。股関節が90度になるまで上げる(腰が反らないように)。
<ポイント2>両ひざ・両足はこぶし1個分ずつ空ける
【3】さらにひざを伸ばして天井に足の裏を見せる。股関節から足を上げるイメージで、腰は反らないままを保つ。7秒で上げて、7秒で下げる(【1】の姿勢に戻る)。これを3〜10回程度繰り返す。
イラスト/タナカデザイン
※週刊ポスト2026年5月1日号
●通院しても治らない腰痛の正体とは?5万人を治療した理学療法士が教える根本原因と対処法
