中高年の《住まい》に関する意識調査で判明「自宅は資産、実家は負債?売却や管理に不安も」<調査レポート>
人生100年時代へ突入した今、「住まい」は長い老後生活を安心して過ごすためには重要なテーマのひとつだといえるだろう。住まいには持ち家や賃貸をはじめ、様々な選択肢があるため、自分のライフスタイルに合わせた最適な住まいを選びたいところ。シニア世代の意識調査の結果を参考に、自分の住まいについて見つめ直してみてはいかがだろうか。
半数以上がポジティブに認知「住まい」に関する意識調査
老後の暮らしについて考えると、重要な問題として浮かび上がってくるのが「住まい」の問題だ。ライフスタイルが多様化し、老後をひとりで過ごす人も多くなった今、持ち家で暮らし続けるか、賃貸住宅や高齢者向け住宅へ移るか…など、様々な選択肢を前に頭を悩ませている人もいるのではないだろうか。
そこで国内最大級(会員数42万人)のシニア向けコミュニティサービス『趣味人倶楽部』を運営しつつ、法人向けのマーケティング・事業開発を支援しているオースタンスは、45才以上の中高年シニア553名を対象に、「住まい」への意識と実態の調査を実施。50才以上の人口が日本の総人口の半数を超える2025年を迎える中、中高年・シニア世代が自宅や実家をどのように捉えているのか、不動産の売却・活用・相続にまつわる実態や課題を明らかにした。
シニア世代の「8割以上」が持ち家に居住
まず、「現在の住まい」について尋ねたところ、「自分または配偶者名義の持ち家」が78.8%で最も多い回答となった。「実家(両親の持ち家)に同居」3.8%と合わせると、持ち家率は82.6%に上り、賃貸住宅を大きく上回る結果に。
自宅・実家の相続や売却、土地活用。2人に1人が考えたことあり
続いて、自宅や実家について、相続や売却、土地活用などのことを考えたことがあるかを尋ねた。その結果、「具体的に考えたことがある」、「漠然と考えたことがある」がどちらも25.1%となり、約半数の人が将来を見据えて何らかの検討を始めていることが判明した。
「自宅」はプラスの価値、「実家」はマイナスの価値が過半数
また、現在「住んでいる自宅」と「実家」をそれぞれどのように捉えているかを尋ねたところ、「自宅」は過半数の55.2%が「資産・財産」とプラスに捉える一方で、「実家」は57.5%が「管理や維持への手間」「売却や処分への不安」などマイナスの価値で捉えていることが判明した。
「相続=資産」とポジティブに捉えた方が約6割以上
最後に、不動産売却や活用についてのバナーを2種類用意し、どちらの方がクリック数が多いかを検証した。すると59.9%の人が「相続した『資産』どうしよう」というワードに関心を示し、「相続した『空き家』どうしよう」40.1%を大きく上回る結果となった。
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50才以上が人口の半数を占める時代において、シニア世代の「住まい」に対する意識や行動特性はますます多様化している。調査の結果、自宅や実家の整理、相続、土地活用に関する関心や行動のタイミングは、年代や居住地域、家族構成、ライフスタイルによって大きく異なることが明らかとなった。
持ち家にも賃貸にも、それぞれ様々なメリットデメリットがあるもの。自分のライフスタイルやニーズに合わせて、空き家整理や相続について考えていきたいところだ。
【データ】
オースタンス
https://ostance.com/
調査・研究機関『シニアDXラボ』
https://ostance.com/lab
【調査概要】
「住まい」に関する意識調査
調査方法:Webアンケート
調査対象:「趣味人俱楽部」45才以上の会員
有効回答数:553人
(40代:4.6%、50代:17.6%、60代:34.7%、70代:33.2%、80代:9.9%)
調査期間:2025年8月22日~8月24日
※オースタンスの発表したプレスリリース(2025年8月29日)を元に記事を作成。
図表/オースタンス提供 構成・文/秋山莉菜
