腰痛は安静よりも“体を動かす”! 関節の柔軟性を高める「介助付きストレッチ3選」【理学療法士解説】
体を反ると痛い、足やお尻がしびれる、なんとなく歩きにくいーーそれ、ストレッチで改善できるかも!「ひとりでストレッチするのが難しい場合は、介助者や椅子など、補助を取り入れましょう」とは、理学療法士の徳田はるかさん。特に座っている時間や横になっている時間の多い要介護者や後期高齢者は、慢性的な腰痛に悩まされているケースが多い。徳田さん考案の介助付きストレッチでケアしよう。
教えてくれた人
徳田はるかさん/理学療法士、介護予防運動指導士。パーソナルトレーナーとして、総合病院、老人保健施設、リハビリ特化型デイサービスなどで訓練指導を行う。医療ライターとしても活躍中。
関節の柔軟性が腰痛改善や転倒防止に
年を重ね、体の可動域が狭くなると、動きが制限されて腰痛の症状は重くなりがち。放置せず積極的に動かすことで、何才であろうと腰痛を改善できるという。
「腰痛がある人は、原因疾患が何であれ、体をバランスよく使えていないケースが多いんです。安静にしすぎず、無理のない範囲で体を動かすことが大切です」(徳田さん・以下同)
ストレッチで関節を柔軟に保てれば、腰痛改善だけでなく、転倒を防ぐことにもつながる。
「日常生活の見直しも腰痛の改善に効果的。椅子やベッドを使う生活に変えたり、O脚や変形性膝関節症の原因になるサンダルやスリッポンの使用を避け、土踏まずをきちんと刺激するひも付きの運動靴を履いたりするのもおすすめです」
理学療法士が指南!介助付きで行う腰痛改善ケア3選
体がかたい、転倒が不安など、ひとりでストレッチできない場合はーー。これらを毎日続けることで、歩けないほどの腰痛に悩まされていた人が、トイレはもちろん、近所のスーパーまで歩いて行けるようになったという。諦めず、無理せず挑戦してみよう。
【1】お尻の筋肉ほぐしストレッチ
リラックスして仰向けの姿勢に。お尻の伸びと腰の丸まりが感じられるよう、介助者にゆっくりと片ひざを深く曲げてもらう。このとき反対側の足が浮かないように注意。深呼吸しながら30秒キープ。左右とも同様に行う。
変形性膝関節症などでひざが曲がりにくい場合は、介助者に太ももの裏を押してもらう。
【2】股関節ほぐしストレッチ
※股関節の手術をした人は行わないこと。
リラックスして仰向けの姿勢に。介助者に片足を持ち上げてもらい、最初は小さく、徐々に大きく股関節を外回しにしてもらう。各足10〜20回ずつ。痛みのない範囲で行う。
【3】足首のストレッチ
低めの椅子の背もたれに両手をつき、やや腰を丸めるようにして足を前後に開く。前足と後ろ足ともに、つま先とひざが真っすぐになるよう意識し、前足を曲げて後ろ足のアキレス腱を伸ばす。深呼吸をしながら30秒キープ。左右それぞれ2~3回ずつ繰り返す。
取材・文/植木淳子 イラスト/藤井昌子 写真/イメージマート
※女性セブン2025年9月25日・10月2日号
https://josei7.com
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