<実家の片付けで困った物ランキング>「思い出の品」より処理が大変な不用品とは? 結婚や両親の死去で始まる片付けにまつわる困りごとをアンケート調査
さまざまなタイミングで「実家の片付け」に取り組もうとする人とは多いのではないだろうか。スムーズに実家の片付けを進めたいのであれば、立ちはだかるであろう「困りごと」を事前に知り、心づもりをしておくことが大切。ということで、AlbaLinkが実家の片付けをしたことがある500人を対象に「実家の片付けで困った物」についてアンケート調査を行った。その調査結果をご紹介する。
きっかけは一人暮らしや家族の死去といった生活の変化
まずは、実家の片付けをしたことがある500人に「片付けをしたきっかけ」を聞いた。
1位は「自分が実家を出る(32.2%)」で、3割以上の人から回答を集め、2位「家族の死去(22.4%)」と答えた人も2割を超えた。
進学や就職で一人暮らしを始めたり、親、祖父母の死去といった大きな生活の変化が実家の片付けのきっかけとなっていることが分かる。
親の意向や物の多さといった要因は少数派であり、多くの人がやむを得ない事情で片付けに踏み切っているようだ。それぞれ具体的な回答内容を見ていこう。
<1位:自分が実家を出る>
・実家を出て一人暮らしするまでに、部屋の物を最低限に減らしたかったから(10代 女性)
・私が一人暮らしをして家には両親だけになるので、「片付けるのが大変な物は、私がいるうちに片付けよう」となったのがきっかけ(40代 男性)
<2位:家族の死去>
・父が亡くなり、年末にいろいろな物を整理、廃棄する必要が生じた(50代 男性)
・ 両親が他界して、実家を売却することが決まったから(50代 女性)
<3位:親が希望した>
・親から「自分に判断力があるうちに、家にある物の処分を手伝ってほしい」と頼まれて(50代 女性)
<3位(同率):親の引っ越し>
・両親が長男の家で同居することになり、引っ越すことになった(60代以上 男性)
<5位:物が多いから>
・使わなくなった物も置いたままで、部屋が狭くなっていたため(30代 男性)
実家の片付けで困った物は「大型家具」
実家の片付けをした際に困った物の1位は「大型家具(37.0%)」。2位は「思い出の品(31.0%)」、3位は「衣類(11.4%)」という結果に。
大きな物や思い入れがある物、数の多い物が上位にランクイン。選別や処分をする作業・手続きが大変な物だけではなく、心の面で踏ん切りがつかない物にも困る人が多い様子が伺える。
<1位:大型家具>
・子どもの頃に使っていた勉強机と椅子。古い物なのでかなり重たく、2階の部屋から降ろす作業が危険だと思いました。また3人分の机があり、量が多かったからです(20代 女性)
・タンスふたつ。大型家具なのでフリマには出しにくいですし、掲示板アプリに無料で出品しても引き取り手が見つかりませんでした。結局自治体の粗大ゴミ回収を利用しました(40代 男性)
<2位:思い出の品>
・写真は二度と手に入らない物。かと言って取っておくのは場所を取るので困りました。結局今でも捨てずに手元にあります(40代 女性)
・思い出の品。とくに子ども時代の「文集」「写真」「部活のユニフォーム」などは、捨てる決断がなかなかできませんでした。最終的には、スペースを考えながら必要な物だけを残しました(50代 男性)
<3位:衣類>
・母親の大量の洋服。「タンス」「風呂敷」「段ボール」とさまざまな形で収納されているため、ひと部屋片付いたと思うと別の場所からまた出てきて、終わりが見えなかった。(40代 男性)
<4位:家電>
・使わなくなったブラウン管テレビ。決まった方法で処分する必要があり、手続きが大変だったからです(50代 男性)
<5位:本>
・とくに昔の本はもう手に入らないことも多く、電子書籍になっているか調べるゆとりもなく、どれを残してどれを捨てていいかいつも判断に困ってしまい、結局書棚に戻すことも(50代 女性)
「フリマアプリ」「リサイクルショップ」で不用品をお金に変える
「実家の片付けで役立った方法やサービス」を聞いたところ、1位は「フリマアプリで売る(23.8%)」、僅差の2位は「リサイクル業者の利用(20.4%)」。
全体的に、不用品をお金に変える方法を選ぶ人が多いことが分かった。
<1位:フリマアプリで売る>
・フリマアプリを活用し、売れる物は出品しました。少しですがお金になったので良かったです。ただ売れ残ってしまった物もあったので、処分がまた大変でした(50代 男性)
<2位:リサイクル業者の利用>
・結局は買い取ってもらえなくて、お金を支払い引き取り処分をしてもらうことになりましたが、とても助かりました(60代以上 女性)
<3位 自治体の粗大ゴミ回収>
・フリマアプリなどに詳しくなく、また急いでいたので、自治体の粗大ゴミの案内に沿って大量に処分した(30代 女性)
<4位:リサイクルショップに売る>
・リサイクルショップに、「大量の食器」「もう使わない介護ベッド」「サイドテーブル」「ソファ」を買い取ってもらいました。大きな物もあると伝えると、軽トラで取りに来てくれました(30代 女性)
不要になった家財や衣類が使ってくれる人のもとに届けば、「物を粗末にした」という罪悪感も少なくなる。
「進学・留学」「就職」「結婚」「祖父母や親の死去」など、機会は人によってバラバラだが、実家の片付けはいつかは目の当たりにする現実だ。
いざ片付けをするときになって困らないためにも、実家にある物の量を把握しておいたり、近所や自治体のサービスを確認しておこう。
【データ】
<AlbaLink「実家の片付けで困った物ランキング」の概要>
調査対象:実家の片付けをしたことがある人
調査期間:2025年1月28日~2月6日
調査方法:インターネットによる任意回答
有効回答数: 500人(女性325人/男性175人)
回答者の年代:10代:0.4%/20代:17.4%/30代:35.2%/40代:26.0%/50代:15.6%/60代以上:5.4%
訳あり不動産の情報メディア『訳あり物件買取プロ』
https://wakearipro.com
※AlbaLinkの発表したプレスリリース(2025年2月28日)を元に記事を作成。
図表/株式会社AlbaLink 構成・文/松藤浩一
●親の家の片付けの始め方「”捨てる”はNG!大切なモノを引き継ぎたいと伝えて」5つのポイントを専門家が解説
●【将来の介護に関する意識調査レポート】不安なこと、具体的に知りたい情報とも1位は「介護にかかる費用」という結果に
●《僧侶が説く片付け術》もったいなくて捨てられないメンタルを変えるために必要な“心の免疫”「処分したら購買欲のままに新しい服を買ってもいい」