猫が母になつきません 第432話「ヘアカラー」
恒例のランチ、今回はリーズナブルだけどお店の雰囲気も素敵なフレンチ。大家さんセレクトです。大家さんのお友達もご一緒で、私は一番の若輩者ですが大家さんのおかげで楽しく過ごさせていただいています。
いつもおしゃれな大家さん、髪の毛は赤みがかった素敵なブラウンにカラーリングされていますが「痛むからほんとはグレイヘアにしたいけどできないの」と。大家さんのお母様は105歳になられるのですが、今もおしゃれが大好きで毎月必ず施設の中にある理美容室でカラーとパーマをかかさないのだとか。施設でお暮らしとはいえまだまだお元気とのことで「ほんとうに長寿世界一になっちゃうかも」と皆が言う。「私のほうが先に死んじゃうかも。お葬式には来てね、主人はだれも呼ばないですませちゃいそうだから」。「いや、行きますけれども…」と私。軽口をききながら、お母様長寿世界一の取材が来た時の心配を半分本気で心配している大家さんがかわいい。
私は人に会う機会が少ないし髪の毛もグレイヘアでいいのですが、遺伝的に白髪がかなり少ない方で顔周りにちょろっとあるくらい。なんかそれがよくない。母はカラーリングは一度もしたことがなく、白髪がぐっと増えたのは80歳を超えてからでした。私はアレルギーで普通のヘアカラーリング剤は使えないので、ちょろっと白髪が気になった時にヘナで染めています。しかも面倒なので気になった部分だけ(笑)。インディゴ入りのヘナだと黒く染まります。
いつかはグレイヘアにするんだろうと思いつつ、貫禄がないせいかなんだか今は似合わない。しばらくはヘナ染めを続けようと思います。大家さんとお母様についていく、という道もありますしね。
作者プロフィール
nurarin(ぬらりん)/東京でデザイナーとして働いたのち、母と暮らすため地元に帰る。ゴミ屋敷を片付け、野良の母猫に託された猫二匹(わび♀、さび♀)も一緒に暮らしていたが、帰って12年目に母が亡くなる。猫も今はさびだけ。実家を売却後60年近く前に建てられた海が見える平屋に引越し、草ボーボーの庭を楽園に変えようと奮闘中(←賃貸なので制限あり)。