おひとり様や身寄りのない人の選択肢「火葬のみ」のシンプルなお別れの形とは?
ひとり暮らしや、身寄りのいない高齢者が増加し、親族や友人とのお別れの場を設けないケースも出てきている。そこで葬儀を誰かに託せない、または葬儀を執り行えなくてもいいというかた向けに火葬だけの葬儀プランが誕生したという。どんなプランなのか、詳しく紹介する。
少子高齢化や核家族化の影響で変わる葬儀の形
現在日本は、65才以上の5人に1人が一人暮らしをしていると言われている。そのため、誰にも看取られることなく亡くなる孤独死も増加傾向にあり、2024年に自宅で孤独死を迎える高齢者は、6万8000人を超えると見込まれているそう。
また、介護施設で最期を迎える方も増え、一般葬で送られることがかなわない人も増加している。
高齢者の生活スタイルが大きく変わる中、葬式の在り方も変化しつつある。大勢の参列者で見送る一般葬だけでなく、身内やごく親しい人のみで行われる家族葬や、最近では身寄りのいないおひとり様向けの葬儀も登場している。
通夜、告別式は無し。火葬のみのシンプルなプラン
葬儀葬祭の企画立案や仲介を行うMシステムズが提供する『あんしん火葬』は、通夜、告別式を行わず、火葬のみを行うシンプルなプランだ(15万円・税別)のプラン。終活を自分自身で執り行いたい、葬儀を希望しない、または参列する親族が近くにいないといった人にも安心できる仕組みになっている。
プランには、寝台車での搬送から、棺、骨壷、安置、死亡届役所手続き、火葬場の申し込みまで含まれている。事前相談や事前予約を行うことで、最期の手配に対する不安を感じることなく日々を過ごすことができる。
おひとり様向けの火葬が望まれる理由
おひとり様向け”火葬のみ”のプランが誕生した背景や相談事例をピックアップ。
【相談事例1】ひとり暮らしの60代女性
がんが見つかり、オペを控えている。もしもの時、家族もいないので自分自身の最期がどうなってしまうのか不安になった。準備できることがあるなら、教えてほしい。
【相談事例2】介護施設を経営する男性
75才で入居されたかたで、現在95才。現状身元引受人がいないこのかたの最後はどうなってしまうんだろう。一緒に生活していたかたが、どのように送られていくのか自分たちが関与できないことがもどかしい。もし何かできることがあるなら、事前に準備はできないのだろうか?
【相談事例3】行政からの問いかけ
独居高齢世帯も増えており、様々な支援をする中で最後亡くなられてしまった後、遠い親族に連絡をしたところ「関係ない、知らない」と引き取りを断られてしまうケースもある。このような状況を防ぐためにも、事前に本人と決めておき、納骨まで丁寧におまかせできる仕組みはないのだろうか?
おひとり様の終活は早めの準備を
もし、あなたがおひとり様になったら、やるべきことは数多くある。計画的な準備や孤独死の対策も必要になるだろう。自分らしい人生の最期を迎えるためにも、将来に不安を感じたら少しずつでもいいから終活を始めよう。
【データ】
『あんしん火葬』
https://anshin-kaso.jp
警視庁 報道発表資料
https://www.npa.go.jp/news/release/2024/20240515001.html
※Mシステムズの発表したプレスリリース(2024年7月22日)を元に記事を作成。
図表/Mシステムズ提供 構成・文/松藤浩一
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