専門家が教える決定版【減塩対策】14選「おにぎりは塩水でにぎる、貝類の汁物はだし不要」
記録的な暑さが続き、水分&塩分補給が必須となっている。そのなかで、塩分過多になって体調不良やむくみに悩む人が増えているという。そこで、手軽にできる“減塩調理”のアイデアを紹介します。減塩に詳しい専門家が14種類を提案。「塩分を摂りすぎた」と思ったら、試してみてください。
※レシピの分量は2人分です。※塩分量は1人分です。
※電子レンジは600Wを使用しています。※塩は天然塩を使用しています。
※分量の()内のgは正味量です。
教えてくれた人
■今泉久美さん/料理研究家
栄養学に基づいた塩分控えめでおいしい料理に定評。女子栄養大学栄養クリニック特別講師。雑誌、テレビなどでも活躍。近著に『「豆」を食べる習慣が体を守る!』など。
■金丸絵里加さん/管理栄養士
料理研究家、フードコーディネーターとして活躍するほか、栄養指導や飲食店のメニュー開発などにも携わる。『10分で作れる! やせるおつまみ』など著書多数。
■佐野こころさん/医学博士
大手料理教室のヘルスケア部門立ち上げなど女性のライフスタイルから考える健康や食事の情報を発信。書籍に『最強の健康法 ベストパフォーマンス編』がある。
■清水加奈子さん/管理栄養士
国際中医薬膳師、国際中医師、調理師の資格を持ち、中医学に基づいた薬膳レシピやダイエットレシピが得意。監修書に『太らない食べ方 新装版』など。
■中沢るみさん/管理栄養士
栄養カウンセラーとして「食でカラダ革命」をテーマに企業や学校などで、体だけでなく心も元気になる食べ方や、体や心の不調を解消する食の講演を行う。
■牧野直子さん/管理栄養士・料理研究家
女子栄養大学在学中から栄養指導にかかわり、ダイエットやメタボ対策レシピなども多数発信。『おいしい かんたん 作りおき 高血圧・減塩レシピ』など著書多数。
顆粒だしやだしパックには「隠れ塩分」の可能性がある
「市販のだしパックはパッケージの食品表示を見ると相当量の塩分を含んでいるものもあり、顆粒だしにも塩分が入っていることが多いので、だしは自分でとった方がいい」(清水さん)
「減塩しょうゆ」はシーンで使い分けて
「お刺身やお寿司などは減塩しょうゆがいいですが、やはり味は少し物足りないので、だしの旨みをきかせるなど工夫が必要です」(牧野さん)
「白だし」と「薄口しょうゆ」は使いすぎない
「色が薄いので塩分も少ないと思っている人がいるが、薄口しょうゆは濃口しょうゆよりも多い。いずれも、使いすぎると塩分過多になるので気をつけて」(牧野さん)
料理の下ごしらえは「水気をきる」が絶対
「サラダを作る場合も、水気があるとドレッシングがなじまずついかけすぎてしまうことに。肉や魚でも下ごしらえでは水気をしっかりとって」(牧野さん)
野菜には少しの焦げ目をつけて
「素材に軽く焦げ目をつけるとスパイスを加えるのと同じように風味が出る。香りも立つので塩味が少なくても満足感がアップ。ただし肉や魚など、たんぱく質を焦がすとがんのリスクになるので適度に」(金丸さん)
みそは商品により塩分量が異なるので食品表示を必ずチェック
「白みそ=塩分が少ない、赤みそ=塩分が多い、というわけではなく、だし入りのみそは塩分量が多い場合も。みそによって異なるので見た目の色や濃さで判断することなく、食品表示の『食塩相当量』は必ずチェック」(金丸さん)
みそ汁は水分量を減らして具だくさんに
「塩分が多く含まれるのは汁。量を摂りすぎないためにも最初から具だくさんにして汁は減らすといい」(牧野さん)
●なすと厚揚げ、長ねぎのみそ汁(塩分1.3g)
<作り方>
【1】なす小2本(160g)はへたを取ってラップで包み、電子レンジで3分ほど加熱する。ラップの上から流水をかけ、粗熱が取れたら5mm幅に切る。
【2】厚揚げ1/2枚(100g)は熱湯をかけて油抜きし、縦半分に切ってから5mm幅に切る。長ねぎ1/2本は斜め薄切りにする。
【3】小鍋に水1と1/2カップ、【2】、ちりめんじゃこ大さじ1を入れて中火にかけ、煮立ったら蓋をして弱火で2分煮る、
【4】みそ大さじ1を溶き入れ、【1】を加えてさっと煮る。器に盛り、七味唐辛子少量を振る。
「じゃこで旨みをプラスし、たんぱく質やカルシウム摂取を。にぼしやしらすでも◎。七味唐辛子のピリ辛も満足感アップを助ける」(今泉さん)
貝類の汁物なら塩分いらず
「貝類には食材そのものに塩分が含まれているので、だしと塩味の二役に。お水とお酒だけですまし汁にしても充分おいしい」(清水さん)
おにぎりは塩水でにぎる
「塩を直接手につけてにぎると均一に味がつかず物足りなさを感じて塩の量が増えがち。塩水にすることで満遍なく薄い塩がまとわりついていい塩梅になる」(清水さん)
浅漬けは野菜をさっとゆでてから“塩で和える”
「塩はなじんでしまうと塩味を感じにくくなる。きゅうりやキャベツなどさっとゆでてしんなりさせてから塩や塩昆布、赤しそふりかけなどと和えると塩分がダイレクトに舌にのるので塩分量が少なくても漬物風に食べられる」(金丸さん)
味が濃い料理は主菜か副菜かどちらかに
「献立を考えるときには、主菜と副菜で濃い味はどちらか1品にして」(清水さん)
乾物は水で戻したら水気をしっかり絞る
「ミネラルは水に溶けやすいので、乾物や塩蔵わかめなどは水で戻した後に水気をしっかり絞ると、水と一緒に塩分も出る」(清水さん)
煮物よりも「蒸す」「焼く」「ゆでる」
「煮物は調味料をしっかり使わないと味が染みないので、塩分が多くなる。塩焼きや、蒸したりゆでたりしてタレをつける方が塩分を控えられる」(金丸さん)
魚の下ごしらえにはお酒がマスト
「魚は加熱前にお酒で洗うと臭みがとれて、少ない調味料でもおいしく仕上がる」(今泉さん)
撮影/深澤慎平
※女性セブン2024年8月1日号
https://josei7.com/
●高血圧対策に!新減塩法|月に1週間、1日5gの塩分量で過ごすだけで血圧を下げる方法