変形性膝関節症に医師がすすめた最強の食べ物、鬼門となる階段の下り方のポイントを指南【専門医監修】
ひざを痛めると、歩行だけではなくトイレやお風呂など日常生活全体に影響を及ぼす。専門家によると、つらいひざ痛を和らげる方法が「日常生活」のなかに、いくつもあるのだという。歩き方、座り方、食べ物など、ほんの少し気を付けて、痛みをラクにしませんか。
教えてくれた人
戸田整形外科リウマチ科クリニック院長・医師 戸田佳孝さん
ひざの痛みを抑える「生活習慣」
ひざの痛みを軽減するには、日常から「痛みが生じにくい姿勢」を意識することも肝要だ。
まず身につけたいのが正しい歩き方だ。『ひざ痛を自力で治す』の著者で日本関節学会評議員の戸田佳孝医師が解説する。
「ひざをしっかり伸ばし、かかとから着地して、歩幅は大きめにします。かかとが地面につく際、ひざが若干外向きになることを意識すると、脛の骨が回転してひざが安定する『スクリューホーム運動』が生じて、地面からの衝撃が股関節や骨盤に分散し、ひざの負担が大幅に軽減されます」(戸田医師・以下「」内同)
外出時に履く靴の底にも気を配りたい。
「靴底がすり減っていると歩行時に不安定になり、着地の衝撃でひざの痛みが増すので、片方でも靴底がすり減ってきたら買い替えるのが得策です。また、小指側が高くなっている中敷き(インソール)を利用すると、地面からの衝撃が外側に逃げて、ひざの内側にかかる負担を減らせます」
ひざに負担がかかる階段を下りるポイント
歩行時の“鬼門”となるのが階段だ。
運動になるからと階段を利用する人は多いが、上り下りはひざ痛のリスクを高める。特に階段を下りる際には、後ろに残った足には体重の5〜6倍もの負荷がかかり、痛みが増幅しやすい。
痛みを抑えて階段を下りるポイントは「最初の1歩」と「1段2足」だ。
「最初に痛みのある足から踏み出して階段を下ります。痛いほうから下ろすのは抵抗感があるかもしれませんが、ぜひ実践してください。次に痛みのない足を同じ段に乗せて、両足を揃えてからまた痛みのある足を踏み出します。この『1段2足』に加えて、手すりを利用すれば安心できます」
エスカレーターやエレベーターがある場所なら、無理をせず利用したい。
歩いている時だけでなく、「座っている時」もひざに負担がかかる。戸田医師は椅子の高さに注意が必要だと指摘する。
「低い椅子は、立ち上がる時も座る時も体が前屈みになりってひざに大きな負担がかかるため、なるべく低い椅子を避けて、高い椅子を利用するのがポイントです。
自宅リビングの低いソファを座面の高い椅子に替えるなど対応したい。長時間のあぐらや横座りはひざや股関節に悪影響を与えるため、外食時などは座敷席を避けて、テーブル席や掘りゴタツを選ぶのが賢明です」