一般家庭の8割が使っているからこそ知っておきたい!絶対役に立つ【柔軟剤】の選び方や使い方「2種を混ぜて使ってもOKか」
日本では1960年代から普及し始め、いまや約8割の家庭で使われている柔軟剤(※1)。衣類を柔らかく、香りよく、さらに+αの効果も加わったいま、柔軟仕上げ剤市場は1480億円(※2)だという。そこで、選ぶ基準や知っておくべき使い方を大調査した!
※1:2022年ライオン調べ「洗濯実態調査」より。
※2:インテージSRI+柔軟剤市場2023年1~12月販売金額。
教えてくれた人
ハナさん/おうちクリーニング研究家。年間100種類以上の洗剤や柔軟剤、洗濯グッズを自腹で購入。実際に試して実感した結果を自身のブログ『ハナの洗濯ラボノート』に公開。洗濯のハウツーも掲載している。
梅雨時は特定の機能で柔軟剤をチョイス!
今年の梅雨は全国的に短い予想が出ているとはいえ、梅雨時は部屋干しが主流になるうえ、湿気が多いため、生乾き臭が気になるところ。
「柔軟剤でにおい対策をするなら、機能選びがカギとなる」と、おうちクリーニング研究家のハナさんは言う。
「いまどきの柔軟剤には『部屋干し対応』『抗菌』『消臭』『防臭』といった機能がある商品も多く、雑菌の繁殖を抑制する成分が含まれています。そういった商品を選ぶとよいでしょう」
また、乾燥機を使う場合は静電気が起きやすいため「静電気防止」「シワ軽減」機能がおすすめだ。
最近は香りも進化し、微香性や天然香料、ジェンダーレスな香りのものも。そんな柔軟剤を使えば、生乾き臭は怖くない!
おうちクリーニング研究家直伝!柔軟剤の選び方
柔軟剤選びで大切なことは何なのか。ハナさんに選ぶポイントを聞きました。
<1>メーカーの強みを知る
「私の印象ですが、P&Gはよい香りが長持ちする。ライオンは吸水力がしっかりしている。花王は花粉や静電気の防止効果が高い。といった特徴があるように思います。ほかにネイチャーラボは高級感のある香り、ファーファは肌触りのよさが特徴です。こういったメーカーの強みを知っておくことで選択の幅が絞られ、選びやすくなると思います」(ハナさん・以下同)
<2>機能で選ぶ場合はおすすめを見る
「パッケージの裏面には機能の説明書きがあり、最初(アイコンの場合は左端)にイチオシの機能が表記されています。また、パッケージの表面には『ニオイ0』『天日干しのさわやかさ』など販促用のシールが貼られているものがありますが、これはメーカー側のイチオシポイント。自信の表れなので、その中から自分のニーズに合ったものを選ぶといいですね」
柔軟剤の使い方Q&A
<Q1>柔軟剤は多めに入れた方がいい?
A:パッケージに表示された適量を守ることが重要。
「他人の柔軟剤の強いにおいに悩まされる『香害』という言葉もありますが、主な原因は“入れすぎ”です。規定量を守らないと必要以上の香りを発するだけでなく、繊維に柔軟剤成分が残り、肌トラブルの原因にもなりかねません」。
<Q2>柔軟剤と相性のいい洗剤は?
A:柔軟剤の効果を最大限発揮させたいなら、粉末洗剤がおすすめ。
「同じブランドの洗剤と柔軟剤を使うのがいいのかどうか、聞かれることも多いのですが、基本的に洗剤は何を使ってもOKです。ただ、粉末洗剤や弱アルカリ性の液体洗剤など洗浄力の強いものは、皮脂など頑固な汚れもしっかり落としてくれるので、柔軟剤の効果を発揮しやすい。また、洗剤と柔軟剤の両方に香りがついている場合は、同じ系統の香りを選ぶとよいでしょう」
<Q3>洗剤と柔軟剤は同時に入れてもいい?
A:互いの効果を相殺してしまう。
「2つを同時に洗濯物に振りかけるかたがいますが、それでは洗剤の洗浄力が弱まり、柔軟剤の効果も発揮されません。洗濯機の『柔軟剤用投入口』に入れれば、すすぎ前のタイミングで自動で投入してくれます。また投入口は、月に1度は歯ブラシなどで掃除しましょう」
<Q4>香りや効果を長持ちさせるコツは?
A:“つけ置き”するのがおすすめ。
「量を増やすのではなく、脱水直前にいったん洗濯機を停止して、10~20分ほどつけ置きすると、香りや効果が長持ちします。また柔軟剤の香りのみを楽しみたいなら、洗剤を無香料に切り替えて」
<Q5>生地の種類によっては、柔軟剤を使わない方がいいものはある?
A:タオルや下着は、たまにお休みを。
「柔軟剤は、繊維の表面を油膜でコーティングしてなめらかな肌触りにするため、洗剤のみで洗うよりも吸水力が弱まります。特に汗をかく夏場に吸水性はキープしたいので、タオルや下着などは柔軟剤を使わない選択もあり。また、油膜が洗剤で落としきれず蓄積すると、衣類が硬くなることもあります。もしタオルなどがゴワゴワして水や汗を吸わないと感じたときには、柔軟剤を入れずに数回、洗剤のみで洗濯すると改善する場合もあるので、ぜひやってみてください」。
ゴワゴワしてしっかり洗えていないと思ったら、すすぎの水量を増やしたり、注水すすぎを行うのもおすすめだ。
柔軟剤の疑問や悩みをハナさんが回答!
<Q1>消費期限はある?
A:期限の記載はないが、早めに使い切るのがおすすめ。
「長期保存や保管条件により液体が固まったり、ドロッとしたり、白いツブができるなどの状態になることも。これでは効果を充分に発揮しない可能性があります」(ライオン担当者)。
「保管の際は高温や低温、直射日光などを避け、購入後できる限り早めにお使いください。まとめ買いなどでストックしている場合は、先に購入された製品からお使いください」(P&G担当者)。
ハナさんの感覚では1年程度が目安だという。
<Q2>柔軟剤はブレンドしてもよい?
A:混ぜても香りや成分にメリットはない。
「成分が違うものが混ざると固まったり、効果も中途半端になるため避けた方がいいですね」。
<Q3>洗濯機の洗剤と柔軟剤の投入口を間違えた場合、最後にもう1回柔軟剤を入れるべき?
A:「洗剤は最初の給水時に投入され、柔軟剤は、すすぐ前に投入されます。場所を間違えると順序が逆になり、すすぎが不充分のまま、洗剤が残った状態で完了してしまいます。洗濯終了後、再度すすぎを行い、そのときに柔軟剤を入れましょう」
<Q4>ドラム式の洗濯機で、柔軟剤の効果を感じません
A:「ドラム式は、衣類を持ち上げて落とす“たたき洗い”をするため、すすぎ後に乾燥機能を使わなければ柔らかさは損なわれます。干した後に乾燥機に短時間かけるなどの工夫を」
<Q5>節約のため水で薄めてもよい?
A:薄めると効果が弱まる。
「柔軟剤は、洗濯時に水で薄められるので、水で薄めてから入れると、さらに薄くなり、充分な効果を発揮できなくなります」。
<Q6>梅雨時の部屋干し臭は柔軟剤で防げない?
梅雨時期はどうしても部屋干しが増え、「部屋干し臭」も発生しやすいが、「柔軟剤の使い方次第で部屋干し臭を抑制することができます」と、ライオンの柔軟剤担当者は語る。
「柔軟剤を使うと、洗濯物に含まれる水分量が減らせます。特に乾きにくいバスタオルは、柔軟剤未使用のものより水分量が8%減り、乾燥時間が短縮したという結果もあります」(ライオン担当者・以下同)
さらに、洗濯時に柔軟剤を使ったタオルと、未使用のタオルの脱水直後の水分量を比べたところ、使用したものは相対水分量が5%少なくなったという(※3)。
「脱水直後の水分量が少なければ、乾く時間が短縮されます。さらに抗菌機能のあるものを選べば、部屋干し臭をより抑えられます」
洗濯後は菌の増殖を防ぐためにすぐ取り出し、タオル類は干す前に振りさばくとパイルが立ち上がり、ふっくら仕上がり、早く乾くという。また柔軟剤を使うと部屋干しの際にいい香りが広がるため、リラックス効果も得られるそうだ。
※3:タオルや柔軟剤の種類、洗濯条件により相対水分量の値は変わる。
取材・文/藤岡加奈子 撮影/浅野剛 写真/PIXTA
※女性セブン2024年6月20日号
https://josei7.com/
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