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健康

高血圧対策に!新減塩法|月に1週間、1日5gの塩分量で過ごすだけで血圧を下げる方法

 万病のもとになる「塩分」を減らしたい…、でもなかなか難しいのが減塩対策。

 高血圧の人に国が推奨している塩分摂取量は、1日6g未満。ところが、日本人の一般的な食生活の中で、6g未満にするのは至難の業だという。

 たとえば、一般的な和朝食(1人分)では、ご飯以外のほとんどのおかずに塩分が使われており、みそ汁で約2g、塩鮭一切れで約1g、梅干し1粒で約3gの合計6g。たった1食で、1日の塩分量を摂ってしまうことになる。

 日本人女性の実際の平均摂取量は1日約9gだが、外食がおいしいと感じられる人は、1日14g以上は摂っていると考えていいという。これを一気に半分以下の量にしてしまっては、全く味が感じられないはずだ。

 そこでご紹介するのが、“ミスター血圧”こと東京女子医科大学東医療センター元内科教授の渡辺尚彦さんが考案した「反復1週間減塩法」だ。これは1週間だけ、1日5g未満の塩分量で生活するというもの。

「つらい減塩生活は長続きしません。しかし、期間限定ならどうでしょう。試験勉強と同じで、1週間だけだと思えば、なんとか我慢できる人も多いと思います」(渡辺さん・以下同)

 具体的にどのようにしたらよいのか、ご紹介しよう。

まずは1週間だけやってみる!「反復1週間減塩法」

 渡辺さん考案の「反復1週間減塩法」とは、1週間だけ徹底的に減塩し、その後、それまでの食事に戻ってもらうという“メリハリ”のきいたものだ。ただし、減塩期間の1週間は1日5g未満の塩分量にする。

 外食を避け、基本的に麺類は禁止。ハム、ソーセージ、魚の干物、魚肉練り製品、漬物といった加工食品もNG。さらに、塩、しょうゆ、みそ、ソースなどの調味料も一切使えない。味付けは、酢、こしょう、唐辛子、わさび、からしなどの香辛料でまかなう。

「塩分をほぼ摂らないつらい1週間の減塩期間が終わったら、元の食事に戻してもかまいませんが、1週間で味覚がリセットされるので、食べようと思っても、体が受け付けなくなるんです。月に1回、この減塩法を続ければ、無理することなく、自然と減塩摂取量を減らせるはずです」

 1週間減塩生活を続けると、舌が薄味に慣れ、以前の味つけがおかしいというより塩辛く感じられ、元の塩分量には戻りづらくなるという。実際にこの方法を実践し、血圧が下がった患者はたくさんいるという。

調味料別「塩分早わかり」一覧

 普段よく使う調味料の塩分量って知っていますか?基本を知って上手に使いわけよう。

・精製塩:塩分5.9g
・粗塩小さじ1(5g):塩分4.8g
・濃口しょうゆ:塩分0.9g
・薄口しょうゆ:塩分0.1g
・減塩しょうゆ:塩分0.5g
・めんつゆ(3倍濃縮):塩分0.6g
・米みそ:塩分0.8g
・減塩みそ:塩分0.6g
・ぽん酢しょうゆ:塩分0.3g
・マヨネーズ小さじ(4g):塩分0.1g
・トマトケチャップ小さじ(5g):塩分0.2g
・ウースターソース:塩分0.5g

※特記以外の分量は小さじ1(6g)

楽しみながら減塩する12の具体策

 1週間だけのがまんとはいえ、慣れ親しんだ味を突然変えるのはキツイ。ところが、ちょっとした工夫で、薄味でもおいしく感じられるようになるという。おいしく、無理なく塩分量を減らすための具体策を活用し、楽しみながら減塩しましょう!

●1:食品成分表示の塩分量を必ずチェックする習慣をつける

 日本では食品表示法により、加工食品には、栄養成分(炭水化物、たんぱく質、脂質、食塩相当量かナトリウム量)と熱量(カロリー)の表示が義務づけられている。

「せっかく表示されているのですから、塩分量をチェックする習慣をつけましょう。意外なところでは、牛乳にも塩分が入っています。味覚が繊細になってくると、牛乳にしょっぱさを感じられるようになります。また、同量のさばの缶詰でも、メーカーによって塩分量が異なりますから、値段で比較するのではなく、塩分量の少ない商品を優先的に選びましょう」

●2:朝食はフルーツグラノーラを。1食分の塩分量0.2gの理想食

 朝は血圧を上げるホルモン・レニンやアルドステロンが一気に出るため、朝食では特に減塩を意識しよう。なかでも、おすすめはフルーツグラノーラ。

「私も毎朝食べています。1食分の塩分はわずか0.2g。足りなければ、牛乳、ヨーグルト、バナナなどのフルーツを足しましょう。合わせても、塩分は0.5g程度です」

●3:外食はもちろん、塩気の多い加工食品は避けよう

「私が独自に行った外食での塩分摂取量の調査によると、外食の味が濃いと感じる人の1日の塩分摂取量は約7gでした。外食がおいしくないと感じられれば、減塩は成功しているといえます」

 減塩の近道は外食を避けることにある。また、塩、みそ、ソースなどの塩分を含む調味料をはじめ、塩気の強い加工食品であるハム、ソーセージ、干物、練り製品、漬物なども摂らないこと。

「目に入るところに置く調味料は、塩やしょうゆではなく、酢や七味唐辛子に変えましょう。どうしてもしょうゆを使いたい場合は、霧吹きのようなスプレータイプのボトルに入れ、食材に吹きかけて使いましょう」

●4:降圧効果にすぐれた豆類を食事に取り入れよう。酢納豆がオススメ

 おすすめしたい豆類は、納豆。塩分を尿で排出してくれるカリウム、血中コレステロールを改善する食物繊維、血液をサラサラにするナットウキナーゼが含まれているからだ。

「ただし、納豆に付属しているタレには塩分が多いので使用はNG。代わりに酢を使いましょう。酢にも降圧作用があるので、納豆にかけるとW効果になります。また枝豆やピーナッツにも血圧を下げる働きがあります。枝豆は、塩ゆでやゆでた後のふり塩は避けること。ピーナッツも塩分量の多いバターピーナッツはダメ。渋川に含まれるポリフェノールに降圧作用があるので、皮つきでいただきましょう」

→「酢納豆」作り方と健康効果さらにUPする方法とは?

●5:刺身はわさびだけで食べると鮮度とおいしさがわかるように

 減塩生活中、刺身はしょうゆではなく、わさびだけで食べるので、魚の臭みがごまかせなくなり、食材本来の味がよくわかるようになる。

「減塩生活を続けると舌が敏感になり、酸化した魚の脂を感じやすくなります。その結果、安い刺身などは生臭くて食べられなくなった。という患者さんも多いですね」

●6:だしは数種類を合せて うま味を倍増させる

 かつおだしは、昆布だしと合わせて使った方が、アミノ酸が倍になるため、奥行きのある味わいに。だしは複数をブレンドして使おう。

 かつおだしの場合、芳醇な香りを持つ一番だしに対し、二番だしはしっかりしたうま味が特徴。料理に合わせて使い分けるのがオススメ。インスタントのだしには塩分が多く入っているので使用はNG。

●7:メイン調味料として味の種類が豊富な酢や柑橘類を活用

 米酢、りんご酢、バルサミコ酢、黒酢など、種類も豊富で、和洋中の料理を問わずに使えるのが酢。また、レモン、ゆず、かぼすなどの柑橘類は、味だけでなく、香りや季節感も楽しめる。これらは、減塩生活では欠かせない調味料だ。

「一口に酢といっても、種類はさまざま。味にメリハリをつけるものもあれば、風味を豊かにするものもある。患者さんの中には、好みの“マイ酢”を持ち歩き、外食時に活用している人も」

●8:華やかな彩り、さまざまな食感で食べる楽しみを増やす

 減塩料理には彩りも重要。見た目が華やかだと、脳に“この料理はおいしい”と伝達され、よりおいしく感じられるからだ。たとえばサラダ・なるべく複数の野菜を使い、切り方や調理法、食感も変えるなど工夫をすれば食べる楽しみが増す。

「酢の物を作る際、減塩中の下処理は塩の代わりに砂糖で行いましょう。塩と同様の脱水効果があり、減塩になります」

●9:麺類やおでんの汁は塩分がたっぷり。飲んだらアウト!

「練り製品や昆布など、おでんの具材はどれも塩分が多い。食材から溶け出した塩分で、汁の塩分濃度も高くなっています。ラーメンやそば、うどんの汁も同様、残すのが正解です」

 塩分の多い具材は、一度水煮して塩分を出してから、ほかの具材と煮るのが◎。

●10:香辛料には、塩分を尿と一緒に排出するカリウムが豊富

 大葉、みょうが、ねぎ、しょうがなどの香味野菜や、スパイスやハーブなどの香辛料は、料理の風味を上げてくれる。

「特に香辛料には、尿と一緒に塩分を排出するカリウムが含まれています。おいしさをアップするだけでなく、減塩効果も高められ一石二鳥」

●11:香りや風味は焼いたり揚げるとプラスされる

 食材を焼いたり揚げたりすると、香ばしさや、揚げ油のうま味が加わって、食材の味が引き立つ。特に、肉は普通に焼くよりも、外側をカリッと焼いた方が、食感と香りが楽しめる。

「ステーキに塩を振らずに焼くと、味がぼやけておいしくありません。ところが、表面をカリカリに焼いてから、こしょうとにんにくをたっぷりかけると、香ばしさが出て、薄味がカバーされます。魚や肉の煮物も同様。香ばしく焼いてから煮ると、味に深みが出ますよ」

●12:うま味の強い食材をミックスして薄味をカバー!

 薄味を補うには、うま味成分たっぷりの食材を活用しよう。うま味には、肉や魚などの動物性食品に含まれるイノシシ酸、きのこ類に豊富なグアニル酸、昆布、チーズ、干ししいたけをはじめ、多くの野菜、豆、肉、魚、しょうゆやみそに含まれるグルタミン酸、貝類が持つコハク酸などがある。

「うま味成分を持つ食材をミックスすれば味が複雑になり、物足りなさを軽減できます。さらに、唐辛子やラー油などの辛味を加えれば、味にアクセントがつきます」

教えてくれたのはこの人

渡辺尚彦さん/ 東京女子医科大学 東医療センター元内科教授 。医学博士。愛知医科大学・早稲田大学客員教授、日本歯科大学病院臨床教授。専門は高血圧を中心とした循環器病。主な著書に『血圧を下げる最強の方法』(アスコム)、『血管いきいき! 減塩の基本』(宝島社)などがある。

※初出:女性セブン

●自覚症状のない【高血圧】血圧を下げる8の習慣

●【高血圧】降圧のツボと「渡辺式ふくらはぎパンパン体操」

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この記事へのみんなのコメント

  • 渡辺尚彦

    塩分量が適当すぎて参考にならなかった。

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