イライラや不安、ほうれい線に1分間<耳ほぐし> 心と美容に効くツボを専門家が解説
仕事や家庭、人とのコミュニケーションなどによって心労や疲労が溜まりやすい現代社会。不安感やストレス状態から抜け出すためには、ツボが集中している耳をもみほぐしたり、耳たぶを引っ張ったりするだけで効果があるという。気持ちを落ち着かせるだけでなく、表情もスッキリさせる簡単「耳ほぐし」を看護師でリフレクソロジストでもある市野さおりさんが伝授する。
教えてくれた人
市野さおりさん/看護師・リフレクソロジスト。病院勤務後、アロマセラピーやリフレクソロジーの資格を生かし、総合医療ナースとして活動。現在は鍼灸院にて施術を行う。著書に『1分!耳ストレッチ』(青春出版社)など。
道具不要で美容にも効果あり!不眠やイライラを簡単に解消する5つの“耳ほぐし術”
脂肪が少なく、血管や神経が集まる耳は“全身の縮図”ともいわれており、不調が気になる臓器や器官の神経があるツボや反射区に刺激を与えることで、体や心、美容面への効果が期待できる。脳にも近いため即効性があるが、刺激が強すぎると血管や神経を傷めてしまうため、ほぐすのは長くても1分にとどめるように注意しよう。
耳をほぐす時に器具も強い力も不要。基本的にはやさしい力で十分だ。
「自分の指の力を知るために、キッチンスケールに指を置いて測ってみましょう。弱い力は70~100g程度。強い力は200~250g程度が目安で、そこまで強い圧をかける必要はありません。意外とやさしい力加減なのがわかりますよ」(看護師・リフレクソロジストの市野さおりさん・以下同)。
キッチンスケールがない場合、力加減は下記をイメージして欲しい。
弱:2枚1組のティッシュを親指と人差し指でさすって1枚ずつに分けるように。
強:ティッシュでこよりを作るように。
※「ピンク色●・水色●」は表側にある狭いエリアの反射区、「紫色●」は内側にある狭いエリアの反射区、「斜線」は広いエリアの反射区を示しています。
【1】「不眠・プチうつ」を解消する耳ほぐし
体の緊張が抜けずにオンオフの切り替えができない時は、神門(しんもん)を刺激。指が入らない場合は綿棒でもOK。また、三叉(さんさ)神経の反射区をやさしく人差し指でさするとリラックス効果があり、眠りに導いてくれます。
<ほぐすポイント1>
・神門
<やり方>
不眠解消のためには、くぼみの表と裏を親指と人差し指ではさんでつまみ、指の温かさを感じたら、円を描くように後方に回してゆるゆるほぐす。プチうつ解消のためには、斜め後ろに3回引っ張って離す。
<ほぐすポイント2>
・三叉神経
<やり方>
人差し指でやさしくさする。
【2】「ホットフラッシュ」を解消する耳ほぐし
自分の意思に反して緊張してしまったり、汗が出るなど神経がたかぶって緊張している時は、ホルモン分泌の司令塔である下垂体と耳裏にある視床下部に刺激を与えて落ち着きを取り戻して。
<ほぐすポイント1>
・下垂体
<ほぐすポイント2>
・視床下部
<やり方>
突起の内側にある下垂体のツボに人差し指、耳たぶの裏の視床下部の部分に親指を置き、耳たぶのつけ根をゆらしながらほぐす。両耳同時に行う。
【3】「不安」を解消する耳ほぐし
耳の裏側が硬いと耳に入ってくる情報がネガティブに処理されがちになるため、常に不安が付きまとってしまうことも。耳裏にある背中の反射区をたたき、その音に集中することで心を落ち着かせ、気分をスッキリさせましょう。
<ほぐすポイント>
・背中
<やり方>
耳を折って耳穴をふさぎ、人差し指で耳裏をゆっくりトントンと5~6回たたく。そのあと、指をパッと離す。
【4】「イライラ」を解消する耳ほぐし
イライラしていると、耳が赤くなったり、硬くなっている場合も。神経を鎮めるには外耳輪と耳たぶをやさしくもみほぐして。仕上げに耳たぶを強く押すと感情のたかぶりを抑えられます。
<ほぐすポイント>
・外耳輪+耳たぶ
<やり方>
耳のふちを軽くつまみ、耳を広げるように回しながらほぐす。
【5】“ほうれい線・むくみ”に効く耳ほぐし
ごく弱い力で美容点をつまむことで顔全体に刺激が伝わり、目も潤い、フェイスラインや表情がスッキリとします。下頷(かかん)の反射区を強い力でつねることでむくみ知らずに。毎朝行うのが効果的。
<ほぐすポイント1>
・下頷
<やり方>
二重あごが気になる人は、 美容点をほぐしたあとに、この部分の表と裏を、親指と人差し指ではさんでつまみ、少しつねって刺激する。
<ほぐすポイント2>
・美容点
<やり方>
親指で耳たぶの裏のつけ根、人差し指は耳と顔の境あたりをつまみ、小さい円を描くようにやさしく後方に回す。
イラスト/鈴木みゆき 写真/PIXTA 取材・文/近藤鈴佳
※女性セブン2024年3月21日号
https://josei7.com/
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