市販の白髪染め剤でうまく染めるコツ|基礎知識からオススメ商品まで
自宅での白髪染めは悩みが多いもの。そこで、白髪染め剤を上手に使いこなすヒケツを、数々のヘアケア製品の研究開発に携わる花王・ヘアケア事業部商品開発マネージャーの古賀浩幸さんと、毛髪診断士でスカルプDやスカルプDボーテの開発を担当するアンファー・開発部の北川愛子さんに教えてもらいました。
Q.泡タイプとクリームタイプどちらを選べばいいのかわかりません。
A.全体を染めるなら泡タイプ、部分的に染めるならクリームタイプを。
「泡タイプは根元から毛先まで染料が広がりやすいため、全体染めに適しています。泡より粘度が高いクリームタイプは、分け目や生え際など部分的な白髪に密着してしっかり染めることができます」(古賀さん)。染める目的に合わせて選びましょう。
付属のコームブラシで髪に塗布して染色。全11色。ブローネ 香りと艶カラークリーム(医薬部外品) 820円(編集部調べ/80g)/花王
泡をもみ込んで染める。全24色。ブローネ 泡カラー(医薬部外品) 1080円(編集部調べ/108ml)/花王
Q.染めた後の色落ちが早いです…。
A.洗髪後、しっかり髪を乾かし、紫外線も注意。
髪は水に濡れると、キューティクルが開いて色落ちしやすくなります。「洗髪後に髪を乾かすことが色をもたせるコツ。紫外線もキューティクルを傷つけ、色素が抜けてしまいます」(北川さん)
Q.きちんと染まらないのですが…。
A.整髪料がついていない状態で適量を使って。
「オイルやバームなどで髪がコーティングされていると、染料が髪に吸着できず、染まりにくくなります」(北川さん)。また、使用量が少ない場合もあるので、適量をきちんと使うことも大切。
Q.黒髪用カラーでも白髪は染まりますか?
A.染まりますが、髪への負担が大きいです。
「黒髪用のカラー剤は髪の黒い色素を抜いて色を染めるため、実は脱色力が強く、色を抜く必要がない白髪を傷めるリスクがあります」(古賀さん)。白髪が少量でもある場合は、発色よくキレイに染めるためにも白髪用を使うのがおすすめです。
Q.浴室に染料をつけたくないです。
A.浴室をシャワーで濡らしてから染めて。
理想は、新聞紙やビニールで色がつきそうな場所を覆うこと。でも、面倒なときは「シャワーで浴室を濡らしておくと、万一、染料が飛んでも水をかけてラクに落とせます」(北川さん)
Q.白髪染め後、頭皮の乾燥が気になります。
A.保湿成分配合のカラートリートメントがベター。
頭皮の乾燥を防ぐには、保湿成分が入ったカラートリートメントを。「頭皮への負担が少なく乾燥を防ぎます。白髪染めに比べて染毛力は落ちますが、日常的に使えます」(北川さん)
天然色素配合。全4色。スカルプD ボーテ ヘアカラートリートメント 2800円(200g)/アンファー
Q.くり返し染めていると色ムラができるのですが…。
A.3~4回に1回、全体を染めるとキレイな髪色に。
白髪染め剤は、色を重ねるほど濃くなります。特にリタッチをくり返すと、根元と毛先の色に差がつき、ムラができます。「3~4回に1回、髪全体を染めるようにすると、髪色が均一になり色ムラを防ぎやすくなります」(古賀さん)
Q.染めた後の変色が気になります。
A.自然な髪色に染まるヘアカラーが◎
「複数の合成染料を調合した白髪染め剤は、色の定着に差が出て、時間の経過と共に変色しがちに」(古賀さん)本来、黒髪が持つ色素、メラニンを補うものを使うと変色の心配がなく自然に染まります。
黒髪メラニンのもとで染める。全2色。リライズ 白髪用髪色サーバー 2916円(編集部調べ/155g)/花王
教えてくれたのは
花王 ヘアケア事業部商品開発マネージャー・古賀浩幸さん
1990年の入社以来、ヘアケア製品の研究開発に従事。リーゼ、アジエンス、セグレタ、リライズ等の製品開発に携わる。
アンファー 開発部・北川愛子さん
スカルプD、スカルプDボーテの開発を担当。毛髪診断士としてイベント等で頭皮や毛髪及び頭皮ケアのアドバイスも行う。
イラスト/きくちりえ
※女性セブン2019年4月18日号