ルイボスティーに秘められたパワー|不老長寿のお茶といわれる理由を専門家が解説
スーパーやコンビニなどでよく見かけるようになった「ルイボスティー」。ノンカフェインだからたっぷり飲めるとファンも多くなってきているが、ルイボスティーのメリットはそれだけではない。南アフリカの厳しい土地でも生き抜く力を備えた木から作られたお茶、ルイボスティーに秘められたパワーを専門家に教えてもらった。
ルイボスティーってどんな飲み物?
血流促進、血糖値の低下、美肌、抗アレルギー、整腸作用など、実に多彩な効能があるというルイボスティー。ルイボスとは現地の言葉で「Red bush=赤い灌木(低木)」という意味だ。
南アフリカ共和国の南部に延びるセダルバーグ山脈の中腹に自生するマメ科の植物で、茎の長さは1.5m程度。落葉時に葉が赤褐色になることが由来だという。この地の先住民族は、数千年(数百年との説もあり)前からこの葉を煎じ、日常的に飲んでいた。
「『強烈な紫外線や乾燥という過酷な条件下に暮らす人々が連綿と飲み継いできたお茶だから、理由はわからないけれど体にいいはずだ…』。18世紀後半にそう考えた、スウェーデンの植物学者がルイボスティーを欧米に紹介し、急速に普及しました」と、ハーブに精通する薬剤師の林真一郎さんは語る。
実は約40年前から日本に入ってきていた
ルイボスティーが日本に入ってきたのは約40年前のことだ。
「その頃の日本にはアンチエイジングという言葉はありませんでしたが、当時から健康志向の高い人に好まれていました」(林さん・以下同)
それが一気にポピュラーになったのは、ここ2~3年。林さんがこう分析する。
「大手メーカーやコンビニがペットボトルのルイボスティーを発売したことで、一気に認知度が高まりました。コロナ禍で体にいい食品が見直されるいま、カフェインを含まないルイボスティーは、ヘルシーティーの筆頭として、ますます注目を集めています」
ルイボスティーには強い抗酸化作用が
茶葉にどんな働きが隠されているのか。
「最大の働きは、強い抗酸化作用です。“老化”とは体が酸化すること。多くの病気やシミ、しわなどの肌トラブルは、酸化によって起こります。酸化の原因は、体内で細胞や臓器に悪さをする活性酸素。抗菌のためには必要なものですが、増えすぎると正常な細胞まで傷つけてしまう。活性酸素は、ストレスや紫外線、激しい運動などで発生すると考えられます」
活性酸素が引き起こす疾患は動脈硬化やがん、糖尿病、アトピー性皮膚炎ほかさまざま。
「その厄介者を除去するのがビタミンやポリフェノールなどの抗酸化物質です。ルイボスには、ポリフェノールの一種であるケルセチンやルテオリン、アスパラチンが豊富に含まれているのです。
ルイボスにしかない珍しい成分「アスパラチン」
実は、ケルセチンやルテオリンはサプリメントにもなっているメジャーどころですが、アスパラチンはルイボスにしかない珍しい成分。このアスパラチンには強力な抗酸化力があり、ルイボスを“不老長寿のお茶”とたらしめているのではないかといわれています」
ルイボスが育つ高原地帯は海抜450m以上の乾いた大地。雨も少なく、昼夜の気温差が最大30℃以上にもなる。しかし、太古の海底が隆起した地層にはミネラルが豊富に含まれているため、ルイボスは10mに及ぶ長い根を地中に張り、土の栄養分をたっぷりと吸い上げる。そして、この地で生き抜くため、自ら強い抗酸化物質を備えるようになった。
「オーストラリアやイスラエルなど、似た環境で栽培を試みたものの成功例はありません」
いまもセダルバーグ山脈のみで自然栽培されている、唯一無二のお茶なのだ。
教えてくれた人
林真一郎さん
薬剤師、東邦大学薬学部客員講師、ハーブ専門店「グリーンフラスコ」(東京・自由が丘)代表。「緑の医学」のコンセプトのもと、ハーブ療法の普及に取り組む。http://www.greenflask.com
取材・文/佐藤有栄
※女性セブン2022年4月21日号
https://josei7.com/
●『具だくさんアンチエイジングトマトスープ』で肌と髪の対策を「ポイントはリコピンたっぷりのトマト缶」