猛暑にエアコンをつけず亡くなる高齢者が絶えないワケ
ツイッターのフォロワー数が15万人を超える主婦・ 深爪さんが、熱中症の注意喚起をしているにも関わらず、亡くなる高齢者が後を絶たない理由を考察した。
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老人は自分のことを老人と思っていない!?
連日、猛烈な暑さが続くニッポン列島。毎日あまりに暑いので、お天気お姉さんが「本日の最高気温は30℃です」と、報じるのを聞いて、「今日はだいぶ涼しいな」と、思ってしまったほどだ。
7月23日には埼玉県熊谷市で41.1℃を記録し、5年ぶりに国内最高気温を塗り替えたという。ときに「殺人的な暑さ」と表現されるが、実際に熱中症で亡くなる人は後を絶たない。特に高齢者の死亡例が多いと聞く。
歳をとると、体温調節機能が低下したり、暑さを感じにくくなったりするので、熱中症になると、若者よりも重症になりやすいという。メディアでも繰り返し、「寝る時にエアコンをつけるなど、高齢者は熱中症対策を」と注意喚起しているにもかかわらず、なぜ、高齢者の死亡例が後を絶たないのかと思ってしまう。そこで、現役の高齢者である実母(70代)に、
「さんざんテレビで言われているのに、なんでエアコンをつけずに死ぬ老人がいなくならないのか」
と、尋ねてみた。すると、
「お前には老人が老人に見えるだろうが、老人は自分のことを老人だとは思っていない。実際、あたしも気持ち的には40代」
という驚きの回答が。いくら、「お年寄りのみなさんは熱中症に気をつけてくださいね!」と注意したところで、己に「お年寄り」の自覚がないので、自分に対するアドバイスだとは思わない、ということらしい。目からウロコである。確かに、私も傍から見ればどこに出しても恥ずかしくないババアだが、気持ち的には完全に20代なので非常に納得した。
ところで、この猛暑にも意外な利点があるという。「気温が35℃を超えると、蚊は活動を停止する」説である。確かに今年はまだ深夜に耳元で不快な羽音を聞かされてないし、かゆみ止めにもお世話になっていない。とあるニュース記事によると、蚊にもさまざまな種類がいるため、一概に「35℃になると活動を停止する」とは言えないが、蚊が活発に活動する気温は26℃から32℃なので、その説は妥当、とのことだ。
真夏の炎天下で子供に人文字を作らせたり、連日、野球の試合をさせたりする人間に比べ、高温に危機を感じて活動を自粛する蚊は、ある意味、われわれよりも賢い。人類も蚊を見習い、最高気温が35℃以上の日は、クーラーを19℃設定にし、自宅に引きこもってひたすらカキ氷を食いまくるなど、生命維持のために最善を尽くすべきではないかと思いはじめた私である。
深爪(@fukazume_taro)
時事ネタやネットの出来事を日々つぶやいている主婦。著書に【深爪式~声に出して読めない53の話~』『深爪流~役に立ちそうで立たない少し役に立つ話』(ともにKADOKAWA)がある。
※女性セブン2018年8月16日号
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