誤嚥しにくい“かき氷”で夏を楽しむ おいしい介護食のヒント
夏の暑い日、かき氷でひんやり涼をとりたい――。介護食のデザートといえば、ゼリーやムース状のものを思い浮かべるが、かき氷も介護食流にアレンジできます。
今回は、誤嚥しにくい“かき氷”を紹介。介護食の料理教室やカフェを運営する歯科の医療機器メーカー株式会社ジーシープロデュース『Kamulier(カムリエ)』(現在は閉店)の店長・志水香代さんに作り方を教えてもらいました。
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とろみ剤を使いとろみをつけた氷は溶けても誤嚥しにくい
「ふんわりした食感のかき氷をいつか介護食で提案したいと思っていて、考えついたレシピです」と話す志水さんが手にしたのは、市販のとろみ調整食品『トローミファイバー』(宮源)。
「とろみをつけた液を凍らせて氷を作り、それを削ってかき氷にします。通常の水だと溶けたときにむせる原因になりますが、とろみをつけた氷なら、溶けても飲み込みやすく誤嚥しにくいのです」
材料(1人分)
水 200cc
練乳 20~30g
とろみ調整食品 1.5g
シロップ(お好みの味) 適量
作り方
【1】ボウルに水と練乳を入れてよく混ぜて溶かす。
【2】とろみ調整食品を入れ、しっかりと溶けるまで混ぜる。
【3】【2】をかき氷機用の型に入れ、冷凍庫で凍らせる。
【4】【3】をかき氷機で削って器に入れ、好みのシロップをかける。
作り方は至って簡単。水に練乳を混ぜて、とろみ剤をしっかり溶かすこと。凍らせるときは、かき氷用の容器や製氷皿などに入れる。かき氷機はふんわりした氷を作れるタイプがおすすめだが、ない場合は、おろし器でも。
介護食“かき氷”でひんやり口から脳に刺激を
「氷を口に含んだ時のキンと冷えた感覚は、脳への刺激にもつながります。かき氷のひんやり感は、夏という季節感も実感でき、“食べる”という行為をより豊かなものにしてくれるのではないかと思うんです」(志水さん)
蒸し暑い日は、誤嚥の心配が少なくない、とろみのついた“かき氷”で夏の癒しを――。
※記事に掲載されているのスプーンは、カムリエとシニア向けの雑貨を提案する『COOKAN++』がプロデュースし、大分県の湯布院にある木工カトラリーの専門店「甲斐のぶお工房」が天然木を使用して1本1本手作業で製作している介護用のものです。以下の記事を参考にしてください。
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レシピ提供:『Kamulier』 撮影/櫻井健司