リフォームしなくても対策は出来る! 家庭内事故防止グッズの紹介と活用法【専門家が解説】
コードにつまずいて転倒、スリッパですべった、こたつ布団が引っかかったなど、家には思わぬ危険が満載。けがをする前にすぐに対策を施す必要があるが、大規模なリフォームを考えるのは待って欲しい。簡単でお金がほとんどかからない対処方法があると、専門家が伝授してくれた。口コミ商品も合わせてご紹介する!
手すりの設置
転倒リスクがある場所につけたい手すりは、工事不要でつけられるものが多い。
「最近は置くだけのタイプなど、工事不要で設置できるものもあります。廊下やトイレはもちろん、ベッドや布団の横にもつければ起きやすく、立ち上がったときに動作が安定するので転倒防止に。購入もできますが、介護保険が使える場合はリーズナブルな価格でレンタルが可能」
と教えてくれたのは、介護用品・福祉用具の販売、レンタルを行う『ヤマシタ』HC事業部国分寺営業所の乙井香名子さん。
『アットグリップ』
24万2000円/アロン化成
自在に高さが調整できる。介護保険でレンタル可能。
『ルーツサイドタイプ』
6万1380円/モルテン
差し込むだけですぐに利用できる。介護保険でレンタル可能。6万1380円/モルテン
小さな段差にはスロープ
「部屋の敷居にある数センチの高さには段差解消スロープがおすすめです。軽量で裏に接着シールがついているのもあるので、自分で簡単に取り付けられます」(乙井さん)
ホームセンターや通販サイトで売られており、値段は1000~2000円台。クッション性があってぶつけても痛くなく、5秒で設置できる。という利点も。
マットや階段にはすべり止めを
「カーペットやマットはすべり止めテープを裏に貼っておくといいでしょう。貼ったまま洗濯も可能です。階段には専用のすべり止めシートがあります。通販サイトなどで購入可能です」(乙井さん)
『ロング安心すべり止めテープ(KJ-77)』
2200円/サンコー
貼ったまま洗濯も可能です。
『おくだけ吸着階段マット』
14枚入 巾75cm 8976円/サンコー
置くだけタイプの階段のすべり止め。
『珪藻土(けいそうど)バスマット』
また、マットをすべらないタイプに替えるのも手だ。介護予防トレーナーの久野秀隆さんがアドバイスするのは、
「トリの『珪藻土(けいそうど)バスマット』は、堆積岩を使った素材のもので、すべらず吸水性も高いので、小さいお子さんがいる家庭でも安心です」(久野さん)
つまずきを防止
『つまずき防止のテーピングスパッツ』
5800円/アンジュ
「足上げをサポートするスパッツ。はくだけでつまずきにくくなります」(久野さん)。
階段や廊下には夜に光るものを設置
「住み慣れた家だからと、夜中にトイレに行くときに照明をつけない人がいますが、これは危険。どうしても面倒な場合は、人感センサー付きの照明器具がおすすめです。暗がりでは階段の位置が見えづらいですが、蛍光シールを貼れば光るので安心です。いずれもホームセンターで手に入ります」(乙井さん)
『人感センサーライト』
1200円程度/ホームセンターなどで購入可能
人間が近づくと点灯する
『蓄光タイプのテープ』
755円前後/ホームセンターなどで購入可能
階段など、貼り付けた所は夜光る
室内履きは、かかとのあるものを
「スリッパはかかとが浮いてしまい、足元が安定しないため、つま先が引っかかりやすい。室内では、靴のようにかかとまでしっかりカバーでき、裏にすべり止めがついたタイプが好ましい。買い替える際は確認を。介護用品専門店などで入手できます」(乙井さん)
『エスパド』
3080円/徳武産業
すべり止めがついた室内履き。
コードは目立つ色のものを
「電源コードは動線から排除する工夫を。カバーをつけて、壁に留めて収納するようにしましょう。延長コードを使うときも、コードの存在を確認できるよう、ピンクや明るい緑など目立つ色のものを選ぶといいですね」(久野さん)
『ケーブルカバー CA-C15M』
605円/サンワサプライ
ケーブルカバーを使って、壁と床の境目にコードを沿わせて。
トイレでの“いきみ”を緩めたり解消する置き台を
トイレの事故で怖いのは、大便をするときの“いきみ”。しつこい便秘の人に多く、このいきみが血圧に大きな影響を与えてしまう。女性セブン 2020年3月19日号でも排便時のいきみで血圧が200mmHgまで上がることを報じた。いきまないためには便秘解消が先決だ。
それをサポートするのに便利なのが、アメリカで開発された洋式トイレ用足置き台『スクワティポティー』だ。洋式トイレの便座に座り、この置き台に足を置くと、排便に理想的なしゃがむ姿勢が取れるため、直腸が自然とまっすぐ伸びてお通じがよくなるのだ。
『スクワティポティー』
6780円/グローバルアジアパートナーズ
アメリカで開発された洋式トイレ用足置き台
私たちはこんなグッズを活用しています
日常で使っているグッズでも対策は可能だ。ここでは、一般の方が実際に使用しているグッズを紹介。
『でか見えタイマー』
20~30分の煮込み料理をするときは、タニタの『でか見えタイマー』を必ず使用しています。(53才・パート)
『デジタル温湿度計』
クレセルの『デジタル温湿度計』を設置しています。インフルエンザや熱中症のリスクが高まると“注意”と表示してくれるので、それを見て加湿器をつけたり、エアコンの温度調節をしています。(42才・主婦)
『紙パンツ用尿とりパッド』
尿もれが怖くて水分を控えていたら、脱水症状でフラフラして転倒。それ以来、恥ずかしがらずに紙パンツ用尿とりパッドを使っています。(77才・主婦)
『5本指ソックス』
「5本指ソックス」の方が転倒しづらいと整体の先生にすすめられ、家で愛用しています。裏にすべり止めがついているので、フローリングでも安心です。(59才・保育士)
『モバイルバッテリー』
「スマホの充電にはモバイルバッテリーを使用。持ち運びでき、コードに引っかかることもなくなりました」(48才・主婦)
教えてくれた人
久野秀隆さん/介護予防トレーナー、乙井香名子さん/『ヤマシタ』HC事業部国分寺営業所
取材・文/廉屋友美乃 取材協力/ヤマシタ
※女性セブン2021年11月14日号
https://josei7.com/
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