大久保佳代子ら”介護脱毛”する芸能人が続々「キッカケはおぎやはぎ・小木の言葉」
介護されることを考えてアンダーヘアを脱毛する”介護脱毛”が芸能界で密かなブーム!? 大久保佳代子(50才)やいとうあさこ(51才)がある番組で介護脱毛について思いを語り、反響を呼んでいる。彼女たちは、いったいなぜ介護脱毛を実践したのだろうか――。
大久保佳代子、いとうあさこが「介護脱毛」を告白
お金、友人、健康、趣味―老後を楽しく過ごせるかは、それまでの生き方や準備にかかっている。コロナ禍で自宅介護が増える中、自分の将来を考えて、ある決断をする人が増えている。介護をする側も、される側も幸せになる“備え”とは。
「老後の備え」と聞いて、多くの人が思い浮かべるのは、資金面での蓄えだろう。しかし、大久保佳代子(50才)が10月11日に放送されたバラエティー番組『上田と女が吠える夜』(日本テレビ系)で告白したのは、意外な準備だった。
「『トゥルントゥルンなら赤ちゃんと同じだから(拭くときに)チョンチョンチョンで終わる。これは少しでもやっておくのが気遣いなんです』と言われて始めました」
続いて、同じく番組に出演していた、いとうあさこ(51才)も発言。
「このまま年を取っていったら、相当嫌なおばさんになるんですよ。だから、下半身だけはいいおばさんでいようと思って」
2人が番組で語ったのは、「介護脱毛」について。自分が介護されるときに備えて、アンダーヘアを脱毛しておくことだ。
おぎやはぎ・小木のすすめで脱毛を開始
キッカケは、2年ほど前。大久保は先に介護脱毛をしていたおぎやはぎ・小木博明(50才)にこう諭された。
「大久保さんは、今後結婚しなかったら、介護が必要になった場合に家族がいない。他人の手を煩わすことになるんだから、きれいな方がいい」
納得した大久保は、老後に向けて脱毛を始めたという。実はいま、彼女たちのように、介護を見越してアンダーヘアの脱毛を始める人が増えているという。
父親の介護経験から脱毛決意した女性も
脱毛するのは、一般的に「VIO」と呼ばれる範囲だ。Vはビキニライン、Iは陰部の両側、Oは肛門周辺をさす。以前は、VIO脱毛を行うのは水着を着るためなどの理由で、20~30代の女性が大多数を占めていた。
しかし、最近は50才以上の女性も例外ではない。コロナ禍で介護の大変さに直面し、脱毛を決意するケースがあるのだ。神奈川県に住む高野綾子さん(仮名・53才)もその1人だ。今年1月、88才の父親を自宅で看取った彼女はこう振り返る。
「もともと、父は老人ホームで暮らしていました。しかし、コロナ禍で面会が叶わなくなり、自宅に引き取ったんです。介護の大変さを覚悟してのことでしたが、排泄の後始末は想像以上にきつくて…」
おむつを脱がせると、陰毛に絡まった尿が蒸れて悪臭を放つ。「うっ」と顔をしかめたくなるほどの臭いのときもあったが、意識のはっきりしている父親を気遣い、笑顔を作ったという。
「いちばん大変だったのが、乾いてカピカピになった大便が肛門周辺の毛に絡んでしまうこと。臭いだけでなく、剝がしてきれいにするのが大変なんです。父は『痛いからそのままでいい』と言うのですが、汚いままにするわけにもいかなくて。ゴシゴシと拭いて、赤くなったこともありました。将来、自分が介護を受ける側になったときに、子供やヘルパーさんに負担をかけたくないし、自分も痛い思いをしたくない。そう考えてVIO脱毛をしました」(高野さん)
脱毛後、日常生活も快適になったという。
「暑い日でも蒸れることがなくなって、本当に気持ちよく過ごせるようになりました。生理が重くて、かぶれにも悩まされてきたので、もっと早く受けていればよかったと思うくらいです」
医療脱毛専門院「リゼクリニック」新宿院院長の医師・大地まさ代さんはこう語る。
「40才を過ぎると、ご自身やご友人などが親の介護を経験する機会が出てきます。介護にあたって、おむつ交換や体を拭く際に、無駄毛があることで手間がかかった、臭いがこもって不快に感じた等、アンダーヘアの煩わしさを感じるかたが多くいらっしゃいます。そのような経験から、介護者の手を少しでも煩わせないように、との配慮で脱毛をするかたがいらっしゃいます」
介護の際にアンダーヘアがないことには、いくつものメリットがあるという。
「陰毛が多い状態でおむつを使うと、雑菌が増殖しやすく、悪臭が出やすくなります。アンダーヘアの量を減らしてケアがしやすくなると、臭いの問題を軽減できます」(大地さん)
介護する人もされる人も双方負担が軽くなる
東京都で在宅介護を行う看護師の嶋谷梢さんはこう語る。
「臭いで顔をしかめられてショックを受ける高齢者は少なくありません。また、介護をする側も、臭そうな顔をしてしまった自分を責めてしまう。毛がないだけで、介護をされる方とする方、双方の精神的負担が軽くなります」
アンダーヘアがなければ、赤ちゃんのお尻を拭くようにして、ラクに排泄物を処理でき、汚れを落とすためにゴシゴシこすらなくていいので、かぶれや傷ができにくくなる。
「デリケートゾーンは、拭き取ったつもりでも毛の間や皮膚に排泄物が残りやすい部位で、炎症や感染症を引き起こすこともめずらしくありません。高齢で介護を必要としている状態だと、免疫力が低下している場合が多く、感染症のリスクが高まります」(大地さん)
特に女性の場合、尿道が短いので男性よりも尿路感染症になりやすい。尿路感染症にかかると、高熱が続き、命を落とすケースもある。
芸能界で広まる介護脱毛。来たるべき介護に備え、考えてみてはいかがだろうか?
イラスト/野田節美
※女性セブン2021年11月4日
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