コロナ禍で膝トラブルが増加 膝の健康を保つ「タオルスクワット」のやり方と効果
全国のどこにおいても、緊急事態宣言もまん延防止等重点措置もない状況は、4月以来実に約半年ぶり。長かった自粛生活のリベンジとばかりに出かけるのもいいが、コロナ前と比べて、思うように脚が動きにくくなっていないだろうか。実はその痛み、コロナ膝(ひざ)によるものかもしれません。放っておくと、転倒したり寝たきりになったり症状を悪化させないための、簡単にできる対策をお教えします。
膝の違和感「コロナ膝」予防にタオルスクワットを
関節の機能は、30代から徐々に低下する。コロナ禍によって起こった膝の違和感を「コロナ膝」と名づけた、京都大学大学院医学研究科教授の青山朋樹さんは話す。
「ある調査によると、20~50代の健康意識を比べると、若者よりも50代の方が圧倒的に食事や運動、睡眠に気を配って生活している人が多かった。コロナ膝においても、年齢が高い人の方が目に見える症状は多いですが、20~40代は放置しがち。コロナ膝は高齢者だけの問題ではないので、どの世代の人も他人事とは思わず、いまのうちから運動習慣をつけるようにしてほしい」(青山さん・以下同)
コロナ膝を悪化させないためには、日頃の“運動貯金”で、骨や筋肉を鍛えておく必要がある。青山さんは、いきなり激しい運動はせず、まずはウオーキングなどから始めることをすすめる。
「外に出るのがおっくうなら、部屋の中でスクワットをするのもいい。左右の太ももの間にタオルなどを挟んで行うと、内ももの大きな筋肉を効率的に鍛えることができ、足腰の衰えを防ぎながら、美脚効果も狙えます。最初は無理のないよう、10回くらいから始めて、最終的に20~30回こなせるようになれば理想的です」
タオルスクワットのやり方
折りたたんだバスタオルなどを太ももの間に挟み、落とさないようにスクワットをする。膝を曲げるときに息を吸い、伸ばすときに吐くのを意識しながら、まずは10回繰り返す。背筋を伸ばして、お尻を突き出すように意識するとよい。
椅子の高さは「膝の角度がちょうど90度に」
2021年4月、ヘルスケア製品などを取り扱うオムロン ヘルスケアが40~70代を対象に行った調査によると、「コロナ禍でいすに座っている時間が増えた」と回答した人が全体の57.5%だったのに対し、「外出する機会が減った」と回答した人は72.2%にものぼる。青山さんは、やむを得ないことだとはいえ、膝の健康にとっては最悪の環境だったと話す。
「長時間座っていること自体、膝にはよくありません。テレワークなどで家から出ない生活なら、せめていすの高さを調節してほしい。座ったときに膝の角度がちょうど90度くらいになるようにして、1時間に1回は立ち上がって、コーヒーを飲んだり、トイレに行ったりするよう意識すること。座りっぱなしの時間が長くならないようにしてください」
自粛が解除されたからといって、コロナ禍が終わったわけではなく、またいつ緊急事態宣言が発出されるかは誰にもわからない。寒くなれば、動くのはもっとおっくうになるだろう。その前に、いまできる運動をしておきたい。将来の健康を守るために、膝を正して向き合おう。
※女性セブン2021年10月21日号
https://josei7.com/
●運動が苦手な人も大丈夫!やさしい10秒スクワット「稲妻のポーズ」で足腰を強化