医師が伝授 50才からの太らない食べ方「4分割して時間を4倍に」を実践する方法
年齢を重ねるごとに、「やせにくくなった」と感じる人は多いだろう。それなら、食べ方を年齢に合わせてあげれば大丈夫。それは「食事を4分割して、食べる時間を4倍にする」ことだけ。とても簡単な食事術だから、今すぐ始められます。極端に食事制限をすることなく、自然と体重が適正値に戻っていくはず!
「量」を減らし「回数」を増やす
健康でありながら太ってしまう理由は、間違いなく食べすぎているからだ。なぜ、人は食べすぎてしまうのか。最大の原因が「早食い」だ。
『医師が教える50歳からの超簡単ダイエット』(幻冬舎)の著者で、川村内科診療所院長の川村昌嗣さんはこう言う。
「食後に血糖値が上昇し、満腹中枢が刺激されるまでには早くても15分はかかります。そのため、早食いの人は満腹感が得られず、食べすぎにつながりやすい。
そもそも『味』というのは、噛むことで食べ物が細かく砕かれ、唾液に溶け込み、舌にある『味蕾(みらい)』という味を感じるセンサーに届いて初めて、おいしさを感じることができます。唾液の量は、口の中に入れる食べ物の量には関係ありません。
また、よく噛もうと心がけても、一定の回数を噛むと舌が自然と食べ物を口の奥へ送り込んでしまうため、よほど意識しないと味がよくわからないまま飲み込んでしまうことになりやすいのです」(川村さん・以下同)
食事を4分割して、食べる時間を4倍に
それを防ぐには、「口に入れる量」を減らし、「口に入れる回数」を増やすことが最善策だ。川村さんは、すべての食事を「4つに分ける」ことをすすめる。
「たとえば、ひと口サイズのから揚げが5こあったとします。すべてを4つに切り分ければ、20回も口に運ぶことになります。噛む回数も食べる時間も4倍になり、空腹感がなくなるまで食事が続くため、満足しやすい。
また、切り分けたときに脂身ばかりの部分があれば、そこは食べないといった判断もできます」
切り分けられないご飯の場合は、茶碗ではなく平皿やプレートに盛りつけるといい。
「平たく盛ると、箸で掴みにくくなるため、食事に時間がかかります。おにぎりも、普通に食べると数口でなくなるため、お箸でほぐしながら食べるといいでしょう。
また、白い茶碗から黒い茶碗に変えるだけで、視覚の影響により盛りつける量が2割減るという調査報告もあります」
時間がなくてもできる『お弁当のながら詰め』食事術
とはいえ、忙しい現代人は「そんなにのんびり食事をしているヒマはない」と思うだろう。そんな人には、とっておきの食事術がある。
「夕食の残りを翌日のお弁当にしている人は、夕食が終わってから弁当箱に詰めるのではなく、『ながら詰め』をしてください。自分のお皿に盛った夕食を、食べながら弁当箱に詰めていくのです。早食いの防止になるほか、不思議と『食べた気分』になれるものです。職場に弁当を持って行かない人でも、『ながら詰め』をしておけば、翌日の料理を作る手間が1回分省けます」
お菓子がやめられない人は『行きつけ』のお店を決める
お菓子がやめられない人もいるだろう。川村さんは、近くて便利なコンビニこそ、「行きつけ」を決めておくべきと提案する。
「コンビニへ寄ると、目的ではないお菓子やジュースを買って、家に買い置きがあれば無駄に食べてしまいます。それを防ぐため、『絶対にここでしか買わない』というコンビニを決めておくこと。駅からの帰り道など使い勝手のいい場所にあるコンビニは避け、家から距離のあるコンビニにするのが理想です」
残り物は次の食事へ回す
最も避けたいのは、余った食材を食べる“残飯処理係”となることだ。近年は食品ロスが社会問題となっており、食品を廃棄することに厳しい目が向けられているが、「もったいない」の精神は肥満につながりやすい。
「残すのはもったいないといって無駄に食べることは、自分の胃袋に廃棄しているようなものだと思ってほしい。肥満は、あらゆる病気の引き金です。もちろん、食品ロスを出さない心がけも大切なので、ひと口分を小さくしたり、残り物は次の食事に回すなどの工夫をしましょう。
食事は、じっくり味わっておいしく食べるものだと理解すれば、不要な食材を買い込むことも、病気になることも防げるはずです」
毎日のご飯は、食べながら、にぎり寿司1こ分を弁当箱に詰める。それくらいのダイエットなら持続可能だろう。
※女性セブン2021年5月6・13日号