65才以上の女性が“後悔”している【お金のこと】調査|3位「個人年金加入」、2位「暮らしの設計」、1位は?
「後悔先に立たず」「後の祭り」「死んだ子の年を数える」――「後悔」を無意味なものとして戒めることわざは多い。しかしそれは「自分」の後悔に限ったこと。他人のものであれば、そこから学び、同じ轍を踏まぬよう努力することは可能だ。
女性セブンは65才以上の女性600人を対象に「65才になるまでにやっておけばよかったこと」をたずねるアンケートを実施した。設問の選択肢で最も後悔しているものを1つずつ選び、理由とともに回答してもらった。その中から「お金」に焦点を当ててご紹介。600人の悲痛な叫びを、「転ばぬ先の杖」としてほしい。
65才以上の女性が後悔している「金銭面」調査結果発表!
【金銭面】で”65才までにやっておけばよかったこと”1位~12位
1位:貯金…140
2位:リタイア後の年金暮らしを設計する…58
3位:個人年金への加入…52
4位:株式投資…22
5位:生命保険・医療保険への加入…15
6位:生命保険・医療保険の整理・解約…12
7位:固定電話の解約…10
8位:家を買う…7
9位:再就職…6
10位:不動産の整理・売却…5
10位:ローンの完済…5
10位:葬儀の準備…5
10位:不動産投資…5
11位:家を買わずに賃貸のままでいる…3
11位:墓を買う…3
11位:サブスクリプション・携帯電話の解約…3
12位:持ち株の整理・売却…2
12位:ファイナンシャルプランナーへの相談…2
Q.金銭面での後悔はありますか?
■ある…70%
■ない…30%
65才以上の女性600人が回答。
※アンケートの結果は1人以下の項目を割愛。2人以上回答があった項目を掲載した。
→65才以上女性600人調査「やっておけばよかったこと」1位は運動習慣 7割が健康面で後悔
後悔しないために…FPがすすめる3つの秘策
91.9%。これは東京都が行った定年後の収入に関する調査において「再就職で収入が減った」と答えた人の割合だ。つまり65才を過ぎれば、ほとんどの人は貯金を取り崩すか生活のコストダウンを余儀なくされるということ。
それゆえアンケートでも、後悔していることとして最も票を集めたのは「貯蓄」だった。
<老後の生活資金がとても年金だけでは足りない。特に女性は年金額が男性に比べて少ないので、節約すべきだった>(67才)、<楽しむことに重きを置きすぎて、退職してからの生活設計ができていなかった>(73才)、<年金生活がこんなに厳しくなるとは。いま貯金がないことの不安が大きくのしかかっている(70才)>
【1】100才までのキャッシュフロー表の作成を
相続・終活コンサルタントの明石久美さんは、こうした状況に陥らないために、リタイア前に一度、「100才までのキャッシュフロー表」を作ることを推奨する。
「貯蓄がうまくいかないのは、将来どの程度お金が足りなくなるのかを確認したことがないことが理由で起こります。
解消するためには、リタイア前に自分が100才まで生きると仮定して、そこから予測できる1年ごとの収入と支出、貯金額を書いた『100才までのキャッシュフロー表』を作り、定期的に見直すことをおすすめします。
将来の収支を予測することで、何才で貯金がなくなってしまうのか可視化されるため、無駄遣いせず、老後のために貯金しようという意識が高まります」(明石さん)
【2】ローンの繰り上げ返済など負債を減らす
リタイア世代の相談に乗るファイナンシャルプランナーの深野康彦さんが貯蓄と並行して取り組むことを推奨するのは、「負債を減らす」こと。
「相談に来るリタイア前後の人たちで、特に苦しそうなのは住宅ローンを70才過ぎても組んでいるケース。完済年齢の平均は73才であるため、決して珍しいことではありませんが、一般的に70才を過ぎてリタイア前と同じくらい働き続けるのは難しいし、65才を超えてリタイアしたくてもローンが残っているからできないという人も少なくありません。
貯金を増やすことだけでなく、余裕があるうちに繰り上げ返済ができるように計画することも重要です」(深野さん)
今回のアンケートでも少なからず<年金暮らしにローンはきつい>(76才)と嘆く声があった。
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【3】お墓は早く買いすぎるのは考えもの
貯金やローンなど、反面教師にできる「後悔」とは反対に、専門家から見ると「やらなくて正解だった」後悔もある。
<ペットと一緒のところに入りたかった>(71才)など、少数ながら65才までにお墓を購入しなかったことを悔やむ声もある。墓石の平均金額は114万円。高い買い物になるだけに、「年金生活に入る前に用意しておけばよかった」と後悔するのもうなずける。
だが、明石さんは首を横に振る。
「お墓は一度買ってしまうと基本的に転売ができないうえ、毎年管理料がかかるところもある。経年劣化による破損、倒壊のリスクもあるので、早く買いすぎるのは考えものです」(明石さん)
大切な「虎の子」を何にどう使うのか──しっかり見極めたい。
教えてくれた人
相続・終活コンサルタント・明石久美さん、ファイナンシャルプランナー・深野康彦さん
※女性セブン2021年4月15日号
https://josei7.com/