手根管症候群は50代60代女性に多い!原因や症状、治療法を医師が解説
「最近なんだか手の指がしびれる…」もしかすると、手根管症候群(しゅこんかんしょうこうぐん)かも? 50代、60代の女性に多いこの病の特徴や治療法について、専門医に聞いた。チェック方法を確認しておこう。
手根管症候群とは?
「そのうち治る」「年のせいだから仕方ない」と、長引くしびれを放置する人が多く、それが症状悪化につながるケースが少なくない。
「患者さんの約6割は、しびれを発症してから受診までに1~2年以上かかっています」とは、「のじ脳神経外科・しびれクリニック」院長の野地雅人さん。
中でも、50~60代女性に多いのが「手根管症候群」(しゅこんかんしょうこうぐん)だという。人差し指、中指を中心に親指や薬指の半分にしびれや痛みが出る病だ。症状や原因、治療法について詳しく解説していく。
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手根管症候群の症状は?
人差し指や中指を中心に、親指や薬指の半分にしびれや痛みが出る。
夜中から明け方にかけて症状が強く出やすい。手を振ることで楽になる場合もあるが、親指の付け根がやせて細かい手作業がしづらい、親指と人差し指で輪を作るOKサインがスムーズにできないようなら、手根管症候群の疑いがある。
手根管症候群の原因は?
原因は不明だが、圧倒的に中高年の女性に症状が出やすい。日常の家事で、手を使う頻度が高いためとも考えられる。
また、ハードな肉体労働をする人、妊婦、手を骨折した人にも生じやすい。閉経や透析治療も原因の1つだといわれている。
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手根管症候群の診断法は?
手根管症候群の診断は、主に以下の2つがある。なお、問診や神経伝導検査の計測も行う。
ティネル様徴候
手首(手関節)をたたき、しびれや痛みが指先に響くかどうかをチェック。
ファレンテスト
手首(手関節)を直角に曲げて両手の甲を合わせた状態で、1分間以内にしびれや痛みが悪化するかどうかをチェック。
手根管症候群の治療は?
手首には手のひらにつながる正中神経が通る手根管がある。手根管がなんらかの原因で狭くなり、神経が締めつけられるとしびれが起こる。しびれの改善には、手を酷使しないこと。
それでも治らなければ専門医を受診しよう。しびれがひどい場合は、正中神経への圧迫を取り除くため、手根管を開いて手根靭帯を切る手術が一般的。
手指にしびれを感じたら早めに対処を!
取材・文/佐々木めぐみ イラスト/ささやん。
※女性セブン2020年12月3日号
https://josei7.com/
教えてくれた人
医師・野地雅人さん
「のじ脳神経外科・しびれクリニック」院長。神奈川県立足柄上病院・脳神経外科部長在任中に日本初の「しびれ外来」を開設、2017年からはしびれ専門クリニックを開院し、6000人超の患者を診察してきた“しびれのプロフェッショナル”
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