ひとり暮らし歴40年の生活研究家が介護を見据えた寝室を公開|阿部絢子さん(75才)
年齢を重ねていくたびに、暮らし方も変化するもの。毎日を豊かに過ごすための住まいのあり方を、生活研究家の阿部絢子さん(75才)に聞きました。快適な暮らしのアドバイスと実践方法を伝授。
ひとり暮らしをしている阿部さんのお宅も大公開。すっきりとした収納で居心地のよい空間を実現していて、楽しく過ごすアイデアがいっぱい!
生活研究家・阿部絢子さんの暮らし方とは…
家事をはじめとする生活研究の第一人者として幅広いメディアで活躍し続けてきた阿部絢子さん。ひとり暮らし歴は40年を超え、75才の現在は53才のときに購入したマンションに猫1匹とともに暮らしている。
「ふんだんに光が入り、窓を開けると風が抜ける間取りに惹かれて、内見した日に購入を決めました」(阿部さん・以下同)
どの部屋もモノがすっきりと収まり、くつろぎの空間が広がる。こうした空間のためには、いまの暮らしを見直すことが大切だという。
「暮らしやすさは十人十色。やみくもに物を捨てて減らしたり、誰かの真似をするよりも、いまの生活の中で不便に感じていることを改善したほうが自分らしい快適な暮らしが叶います。私自身、年を重ねるにつれて暮らしとより真剣に向き合うようになった結果、この家を終の住処にせず、海外で最期を迎えたいと考えるようになりました。人生を思いっきり楽しむべく、まだまだ住まいも暮らしも変化していきそうです」
すっきりとした収納で居心地よい空間を実現
●掃除の効率化を考えた家具を設置
電球の交換や蛍光灯カバーの掃除など、高いところの作業は大きな負担に。「寿命が長いLED電球を使用し、カサも外して掃除の手間を省きました」と、阿部さん。
以前は春夏、秋冬で付け替えていたカーテンを、思い切ってブラインドに変更。「クリーニング代が節約できてホコリも減るので一石二鳥です」。
●掃除道具は各部屋に常備
居間には猫の食事場があるので、食べかすを掃く箒を常備。「掃除をラクにする秘訣は、汚れが目についたらすぐ掃除すること。各部屋に箒やちりとりを配置してこまめに掃除しています」。
●扉はいつも開けたまま!入れるモノに合わせて仕切りもアレンジ
押し入れはもともとあった段を外し、入れるものに合わせて仕切り板を付けて、使い勝手よく改造。扉は開けっ放しにしておき、不要なものがないか常にチェックしている。
●床のスペースを広く保ち快適に過ごす
食事をしたりテレビを見てくつろぐ6畳の居間。「暮らしの心地よさは見えている床の面積に比例します」と、床スペースを広く保つことを徹底。
●服は季節ごとに分けてすっきり収納
手持ちの服がパッと見渡せるクローゼット。
「引き出しの中のトップスは立てて収納すれば、色柄が一目でわかり、選びやすくなります」。
愛猫もここが「お気に入りニャ~」!
介護を見据えた寝室やシンプルなキッチンに
●寝室は介護を見据えてスペースを確保しておく
将来介護を受けることを想定して、ベッドは両サイドにスペースを空けて配置。
さらに、ベッドの下には災害時に備えて非常食や衣類、カイロなどが入った“もしものとき袋”を用意。
クローゼット近くにはダンボール箱を置き、サイズが合わなくなったり、劣化した服を見つけたらすぐに箱の中へ。「箱がいっぱいになったら、衣類を受け付ける寄付先に送ります」。
●キッチンは使いやすく日々アップデート
シンクに三角コーナーを置くと狭くなるうえ、ぬめりやにおいの原因になってしまい面倒。
そこで、代わりにゴミを捨てるミニボックスをシンクの横に置き、キッチンの清潔さをキープ。
手の届く高さを測って設置した吊り戸棚には、お茶や乾物などをかごに入れてすっきり収納。
電子レンジや炊飯器、オーブンなど、不要な家電は処分して、とことんシンプルな空間に。
撮影/深澤慎平
→おひとりさま女性の“終の住処”を公開!ワンルームですっきり豊かな暮らし
※女性セブン2020年10月22日号
https://josei7.com/