専門家に相談できる新しい“介護食”コンセプトカフェ
Kamulierを経営するのは、株式会社ジーシー。同社は歯科材料と関連機械の製造販売を行っている。
「医療や歯科医療の分野では、十分に食べられないまま栄養障害や体重減少、噛み・飲み込む機能障害(摂食嚥下障害)につながり、全身の健康に影響するケースの増加が心配されています。食べることに問題が起きたら、食べられるものをしっかり食べながら、専門家に相談することも大切であると考え、この店舗をオープンしたのです」
と同社常務取締役の冨澤実さんは話す。
Kamulierでは食事の悩みに応じて、適切な医療機関の紹介をしたり、逆に、医療機関から紹介を受けてKamulierに市販の介護食品や口腔ケアグッズを探しに訪れる人、家庭での介護食調理の相談に訪れる人もいるという。
店内で販売しているパウチやレトルトの「やわらか食」「介護食品」は常時、試食(温めて提供するなど)が可能だ(食材実費有料)。そして、食事介助がしやすく、咀嚼(もぐもぐ)運動を引き出すよう配慮されたスプーンや、障害のある人にも持ちやすく工夫された食器、介護食のレシピ本など、介護食まわりの商品を独自の目線でセレクトし、販売している。
また、歯ブラシや歯間ブラシなどのほか、食べるための機能訓練用品も充実しているのは、歯科医療関連企業の経営ならでは。歯科衛生士からグッズの使い方、ケアの方法を教わることもできる。
なお、定期的に、嚥下が少し困難な人も家族と一緒に同じ食卓を囲むことができるように配慮した料理やスイーツのつくり方が学べる「やわらか食」の料理教室も開催されていて、家庭介護をしている人や、ヘルパーなど介護専門職が参加している。
【データ】
店舗名「Kamulier(カムリエ)」
住所:東京都文京区本郷3-2-15 新興ビル1F、
電話:03-3812-6036、
営業時間:11:00~19:00 日・祝定休
公式サイト:http://www.kamulier-gc.jp
取材・文/下平貴子