兄がボケました~若年性認知症の家族との暮らし「第50回 怒りの口パク]
「若年性認知症を患う兄は温厚な性格です」と語るライターのツガエマナミコさんが、その兄との2人暮らしの日々を綴る連載エッセイ。会社を退職した後は、ほぼ家で1日を過ごす兄と、職業柄、在宅での仕事の多いツガエさん。そんな2人は自ずと一緒にいる時間が長くなり…。
「明るく、時にシュールに」、でも前向きに認知症を考えます。

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イライラと怒りの正体
誰しも生きていれば、多かれ少なかれイライラするものでございます。わたくしも兄との二人暮らしではイライラが絶えません。理由はわたくしばっかり働いて三度三度ご飯を作って、兄のパンツの購入から将来まで考えなければならないのに、兄はテレビを見てばっかりでムカツクといった些細なことでございます。
様々なこじつけで自分を慰め、圧倒的な被害者感情を有意義でポジティブな何かにすり替えながら暮らしおりますが、ときに仕事が思うように進まなかったり、作った料理が全品不味く出来上がってしまったときなどは、もういけません。不機嫌が顔や態度に出てしまうのです。呑気にテレビを観る兄の背中は、わたくしのイライラの火に油を注ぐようなもの。とはいえ兄に罪はありません。
要は、わたくしの日常は「っんなんだよ。なんであたいばっかりこんな思いすんのよ」という感情と、穏やかになろうとこじつけを探