骨ホルモン「オステオカルシン」を増やす|「かかと落とし」のながら骨活で全身若返り
最新研究によると、骨から分泌されるホルモン「オステオカルシン」が、全身に若返りメッセージを届け、臓器を活性化していることがわかった。
そこで、骨ホルモン研究の第一人者である平田雅人さんにオステオカルシンの働きや、オステオカルシンを増やす運動、食材などを詳しく教えてもらった。
骨ホルモン「オステオカルシン」とは?
「オステオカルシンは、ホルモンの一種。血液を通して全身に運ばれ、多くの臓器に『元気に働け!』と活性化させるメッセージを送っています」と平田さんは語る。
●オステオカルシンの働き
「オステオカルシンは、血糖値を下げる働きがあるため、
・糖尿病やメタボ予防
・動脈硬化を防ぐ
・脳に働きかけるため、認知症の予防
など、多くの事例が報告されています。さらに、コラーゲン生成もサポートするため、ハリのある美肌づくりにも役立ちます。美と健康に欠かせないスーパーホルモンなのです」(平田さん、以下同)
認知症予防、若返り効果、美肌づくりなど、多くのパワーを秘めるオステオカルシン。その正体は、“骨芽細胞”から分泌されるたんぱく質の一種だ。
「骨には、新たな骨を生成する“骨芽細胞”と、古い骨を壊す“破骨細胞”があり、両者がバランスよく働くことで骨は新陳代謝を繰り返しています。この新陳代謝が活発なほど、丈夫な骨が形成され、オステオカルシンもよく分泌されます」
オステオカルシンの減少で高まるリスクとは?
オステオカルシンが減ると、体内のさまざまなリスクが高まる。以下、リスクを紹介する。
●免疫力が低下する
健康な体でも日々がん細胞が生まれているとされる。オステオカルシンには、免疫力を高め、がん細胞の増殖を抑えるという研究結果もある。
●寝たきり生活に!?
オステオカルシンは筋肉を増やす働きも持つため、減ると筋肉が衰えて運動能力が低下し、寝たきり生活を余儀なくされることも。
●太りやすくなる
オステオカルシンが不足すると血糖値が上昇しやすく、太りやすい体質に。急に上がった血糖値がガクンと下がり、甘い物を欲するようになることも。
●認知症のリスクが!?
オステオカルシンは脳にも働きかける。ニューロンと呼ばれる神経細胞を活性化させ、記憶力や認知機能を高めるという実験結果もある。
●しわやたるみが増える
骨がやせて縮小すると、皮膚が余ってしわやたるみの原因に。さらに、オステオカルシンは質のいいコラーゲンを生成するため、不足するとますますハリのない肌に。
女性ホルモンの分泌が減る40、50代から対策を
オステオカルシンを増やすための“骨活”は、40、50代になったら今すぐにでも始めるべきだという。
強い骨の基礎が作られるのが20~30才。40代、50代は今の骨の状態を維持するために骨活がマスト。とくに女性は閉経して女性ホルモンの分泌が減ると、骨がもろくなりやすい。
骨活のために下半身を集中的に鍛えよう。
オステオカルシンは、下肢の骨からたくさん分泌されるので、下半身に刺激を与える軽い運動を。家事の合間など“ながら”でOK。顔の骨からも分泌されるので、トントンと軽く刺激してハリのある肌に。
骨は体を支える枠組みだけにあらず、若さを保つための重要な臓器。今すぐ骨ホルモンを増やしたい!オステオカルシンを増やすための対策「骨活」をご紹介する