兄がボケました~若年性認知症の家族との暮らし「第48回 警察から電話がありました」
若年性認知症を患う兄と暮らすライターのツガエマナミコさんが、2人の日々の暮らしを綴る連載エッセイ。母の認知症介護、父の交通事故死などの辛い経験を経て、一緒に暮らす兄妹。穏やかな性格の兄、その兄の生活全般をサポートする妹はさまざまなことに気を配って毎日を過ごしている。今回はそんな2人の家に突然警察から電話が入り…。
「明るく、時にシュールに」、でも前向きに認知症を考えます。

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自称警察官に騙されてはいけない!?
「もしもし、こちらホニャララ警察のペケペケと申しますが、ツガエピーさん(兄のフルネーム)のお宅でしょうか?」
ある日、夕食をテーブルに並べ終えたところで、そんな電話がかかってきました。
警察からの電話と言えば、亡き父の交通事故や亡き母の徘徊からの身柄保護の連絡といった苦い経験がございます。なので瞬間的に腹のあたりがぞわっとしたのですが、それとは別にわきあがってきたのは「騙されちゃいけない」という警戒心でした。
警察やら消防署やら区役所やら銀行やら、信用しがちなところからの電話で騙されたという話はテレビなどでさんざん聞いていることなので、「ついにうちにも来たか」という思いで受話器を握り直しました。
ツガエピーの妹だと伝え「兄は今いない」と告げて次の言葉を待ちました。