症状別 最強くすり野菜12|免疫力にパプリカ、更年期に枝豆、高血圧には…
■β-カロテン…視力や粘膜を健康に保ち、免疫力を上げる。体内に吸収されると、一部がビタミンAになる。
■ビタミンA…抗酸化作用によって動脈硬化やがんを予防する。
■ビタミンC…免疫力を上げたり、ストレスを緩和する。コラーゲンの生成を助ける作用も。
■ビタミンE…血流の改善や生活習慣病の予防に役立つ。抗酸化作用もある。
■ビタミンK…カルシウムを骨に届けるのを助け、骨粗しょう症を予防する。
■ビタミンB群…エネルギーの代謝を助け、血糖値を下げる。疲労回復や貧血によるエネルギー不足にも役立つ。
■鉄…貧血予防、疲労回復に役立つ。
■カルシウム…骨や歯の材料になり、イライラを抑える作用もある。
■マグネシウム…体内の酵素の働きを助け、エネルギーを作るのを助ける。高血圧、心疾患の予防にも。
■葉酸…赤血球を作るのをサポートし、貧血予防に。妊娠中は通常の2倍の量が必要。
■カリウム…余分な塩分と水分を排出する利尿作用がある。
■食物繊維…腸内環境を整え、便秘を改善する。
■ポリフェノール…高い抗酸化作用があり、老化防止、がん予防、動脈硬化予防などに役立つ。
■イソフラボン…女性ホルモンと似た働きをするため、更年期障害の症状を和らげるとされる。
野菜の有効成分を最大限摂るには
●できるだけ丸ごと食べる
野菜の有効成分”を最大限摂取するには、どうしたらいいか。野菜の栄養素は皮や種に多く含まれるため、できるだけ丸ごと食べるのがいいと磯村さんは言う。
「『枝豆』は“畑の肉”である大豆の若いもの。たんぱく質やビタミンB1が豊富です。これは糖質をエネルギーに変えるのを助ける栄養素で、糖質の多いビールと一緒に枝豆を食べるのは、栄養的にも理にかなっています。効率よく摂るには、にんにく・輪切り唐辛子と一緒に、枝豆をさやごとオリーブオイルで“ペペロンチーノ風”に炒めましょう。もちろん、おつまみにも最適です」(磯村さん・以下同)
●皮や種をだしパックに入れて、野菜だしをとる
皮や種をそのまま食べるのは抵抗がある場合は、へたやわたなどと合わせてだしにするのも手。
「だしパックにまとめて入れて15~20分ほど煮ると『ベジブロス』という野菜のだしがとれます。玉ねぎの皮を加えるときれいな黄金色に、かぼちゃの種を入れるとほんのり甘いだしになる。市販のパックだしと同じように使えます」
●余った野菜は、塩ゆでして休息冷凍
保存方法もひと工夫したい。
「もし野菜が余ったら、さっと塩ゆでしてから粗熱を取り、すぐ冷凍庫に入れておく。急速冷凍すれば、栄養素を極力壊さずに長期保存できます。ゆでるときは、お湯は使わずに電子レンジで加熱する方がいい。ビタミンCやEなど、水溶性のビタミンが流れ出さないで済みます」(麻生さん)
●市販の冷凍野菜の活用も◎
「いちいち下ゆでして冷凍するのはめんどうくさい」という人は、市販の冷凍野菜を使う手もある。
「現在の冷凍技術はかなり進んでおり、旬の時期に収穫した野菜をベストな状態で急速冷凍しています。ですから、加工されていても、栄養はちゃんと保たれているのです。野菜単品だけでなく、袋から出して調味料と加熱するだけですぐに料理が一品作れるようなミックス野菜もある。自分の生活スタイルに合わせて冷凍庫にストックするなど、無理なく野菜を摂ってほしい」(磯村さん・以下同)
また、生食用のトマトよりも缶詰のトマトの方が赤色が濃く、リコピンの含有量が多いため、ストックするならトマト缶もおすすめだ。これからの時期は、「ズッキーニ」や「みょうが」なども旬を迎える。旬の野菜は、おいしくて安いだけでなく、その“効能”もパワーアップするのだ。
「夏野菜の多くが、水分を多く含んでおり、食べることで水分補給にもなる。みょうがの香り成分のα-ピネンは食欲アップが期待できるため、夏バテ予防にもぴったりです」
野菜は一度ですぐ効く“特効薬”ではない。しかし、毎日“服用”することで、1か月後、1年後、10年後の体が変わる。1日3回、食事、お酒を楽しみながら。用法・用量はお好みでどうぞ。
教えてくれた人
管理栄養士・麻生れいみさん、管理栄養士・磯村優貴恵さん
※女性セブン2020年6月25日号
https://josei7.com/
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