「家庭内でも高齢の親には近づかない」命を守るため、いますべきこと
新型コロナウイルス感染拡大で、ついに緊急事態宣言が発令。安倍首相は「国民のみなさまの行動変容、つまり行動を変えることが大切」と訴え、「みだりに外出しないように要請すべきだと考える」と強調した。高齢者は、もともと重症化、死亡リスクが高いことを忘れてはいけない。
「年輩のかたは免疫力が下がっていたり、持病を持つ人が多いので新型コロナウイルスにかかりやすく重症化しやすい。高齢者ほど感染のリスクを避けて、生活に最新の注意を払うべきです」
と、千種病院の総合内科医である近藤千種さんは話す。いま高齢者を守るために、私たちは何をすべきなのか。
同居の高齢者とは距離をとる方がベター
高齢の親などと家族が同居する場合は、生活圏を分離することが大切となる。
実際、感染者が多いイタリアでは都市部から自宅に帰ってきた若者が、同居している家族を感染させた事例が多かった。
「いまは会話を通じて無症状の感染者から高齢者にうつることが最も危惧されるので、高齢者には家族でも距離をとる方がベターです。“自分はすでに感染している”という心持ちで過ごすことがとても大切です。
家族で密接して食事することもできる限り避けてください。特に鍋は避けた方がいいです。どうしても距離が近くなり、飛沫感染する恐れがあります」(前出・近藤さん)
帰宅時の手洗いやうがいはもちろん、高齢者と同居する場合は家の中でもマスクを心がける。そして、換気を徹底し、こまめにテーブルやドアノブなどの除菌をすることが大切になる。
離れて暮らす親元への帰省は控える
離れて暮らす親が心配だからと帰省すると逆効果になりかねない。
「佐賀県では東京から帰省した女性の感染が確認されました。現在、祖母や母親、弟の3人が熱や咳などの症状が出ています。 また、山形県では東京から帰省した男性含む15人で会食していた家族や親族の女性5人の感染が確認されました。県はクラスターが発生したとみています。
高齢の親を思う気持ちは大切ですが、だからこそこの時期は親に近づかないことが重要になります」(医療ジャーナリスト)
近づくことが難しいからこそ、コミュニケーションは密にしたい。
「遠方に住む高齢の親の孤独が進むと老化のリスクが増します。電話やスカイプなどを利用してまめにコミュニケーションを取ることが親の健康を守ることにつながりますので、積極的に利用してください」(近藤さん)
地域でも高齢者を見守る
親と子の間だけでなく、地域による見守りも重要だ。
「都市封鎖したアメリカのロサンゼルスでは、ご近所同士が共同チャットをつくって“今日スーパー行くけど何かいる?”などと連絡し合っているそうです。日本でも地域の人々が協力し合い、孤立しがちな高齢者を見守る姿勢が求められます」(医療ジャーナリスト)
ひとりで背負うのではなく、みんなで力を合わせれば、必ず難局を乗り越えられる。
※女性セブン2020年4月23日号
https://josei7.com/
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