きれいに仕上がる洗濯術|9割は自宅で洗える!タテ型、ドラム式、二層式別
日本の水は軟水で繊維への浸透力が高いため、衣類に直接つけると変色や縮みの原因になりやすい。あらかじめ水と洗剤をよく混ぜ合わせておけば、真水による衣類のダメージは防げる。
●タテ型の場合は多めの水に洗剤を混ぜる
【1】空の洗濯槽に水を張り、洗剤を混ぜる
手動で水の量を最大量に設定し、水をためる。
「たっぷりの水で洗うのが理想ですが、全自動の設定だと水量が足りません」(茂木さん・以下同)。
たまったら、水量に適応する量の洗剤(各商品で指定している使用分量にならう)を入れ、表面が少し泡立つまで(約3分)回す。
【2】洗濯物を入れ「自分流コース」で洗う
洗濯物を入れたら、こぶしを水中に入れて洗濯物を軽く押さえる。この時、水が手首までつかれば水量は適正だ。その後は洗い約10分、すすぎを水量多めで2回、脱水を3~5分に設定してスタート。「あらかじめ『自分流コース』などに記憶させておけば次からラクですよ」。
●ドラム式の場合は先に洗剤と同量の水を混ぜる
【1】洗剤と同量の水を混ぜる
洗濯物の量に合わせた適量の洗剤(各商品ごとに指定する使用分量)と同量の水をペットボトルに入れる。「このひと手間で、衣類への負担はずいぶん軽減できます。最新モデルにある『泡洗浄』機能を併用するとさらに◎」。
【2】よく振って混ぜ、洗剤ケースに注ぐ
しっかりと混ぜたら洗剤ケースに注ぎ、洗い約20分、注水すすぎ2回、脱水3~5分で洗う。
「ドラム式は汚れ落ちが弱いので洗う時間を長めに設定します。水量を増やす設定のないモデルは、衣類を窓の半分より下の量に調整するといいですよ」。
●ポイント1 衣類が傷まない洗濯ネットの使い方はこちら!
おしゃれ着洗いに必須の洗濯ネットは余った部分を結び、衣類を固定する。「スペースがあると衣類がこすれ、生地を傷めます。詰めすぎは汚れ落ちが心配という声が多いですが、むしろ空いているよりいいんです」。
洗剤も洗う素材によって、使い分けることが重要。
「洗濯物を“ふだん洗い”“ハードな汚れ”“デリケート素材”“色もの”の4つに分けて洗うのがおすすめです。それに応じて3種の洗剤を常備し、使い分けるといいですよ」(茂木さん・以下同)
ひと口に洗濯洗剤といっても、弱アルカリ性から中性、液体から粉末までその種類はさまざまだが、オリジナル洗剤を開発するほど、洗剤にも一家言ある茂木さんに洗剤の選び方を聞いたのが上表だ。
「弱アルカリ性の液体洗剤は、汚れ落ち・生地への負担・値段ともにバランスがいい。デリケートな素材やデザインの“おしゃれ着”や色ものには、生地へのやさしさを優先した中性洗剤がベストです。粉末洗剤は、液体よりも汚れ落ちがよく、泥汚れなどに最適です」。
ちなみに、漂白剤や蛍光増白剤が入っている洗剤は、生地や肌への刺激が強いため、使用法をきちんと守ってここぞという時に使用しよう。
また、前述のようにタテ型かドラム式かで洗い方は少々異なる。
「ドラム式はもともと海外で使われていたため、ミネラル分が多く、汚れが落ちにくい硬水を使用することを想定しており、少ない水で叩き洗いをします。一方、タテ型は水流で汚れを落とすので、日本のような軟水の国に適しています」(茂木さん・以下同)
しかし、昨今の洗濯機は節水の観点から、いずれにせよ、全自動設定は水量が少なめに設定されている。
「ある時、シーツ2枚を洗濯機で洗ったら、驚くほど水量が少なかったんです。そこで、メーカー各社に問い合わせたところ、どうやら“重さ”で水量を決めているようなのです。そこで、全自動任せにせず、手動設定できれいに洗える方法を研究してみました」
ちなみに茂木さんは、1回の洗濯の水量を55~65Lに設定している。
「毎回、多めの水を使うのに抵抗がある場合は、しわを気にしない衣類などを全自動に任せ、大切なものをたっぷりの水で洗うなど使い分けるといいですね」
最後は脱水。生地は濡れている時が最も弱く過度な摩擦は生地を傷め、しわの原因に。
「水の重みで衣類を伸ばせば、不要なしわはできません」
脱水を極力短くすることでしわや傷みが防げるのだ。