一人ひとりに担当が付きチームでケアにあたる介護付有料老人ホーム<後編>
高齢者向け施設に入ることになる理由は人それぞれだ。完全に納得していない状態で来る人もいれば、慣れない生活に戸惑う人もいる。そういった人の力になるのが生活相談員だ。アイムス蓮根には経験豊富で頼れる生活相談員がいる。
有山照美さんは生活相談員として11年間、数多くの入居者の相談に乗ってきた。アイムス蓮根の入居者は有山さんに生活上の悩みや叶えたい希望を相談することができる。
「介護スタッフは食事、睡眠、排泄など生きていくために必要なサポートをするのが仕事です。生活相談員である私は楽しみや悩みといった面のサポートを主にしています。他に部屋の模様替えなど日常的なことも相談されることもあります。生活しやすいように、そして楽しみが生まれるようにサポートしています」(有山さん)
有山さんには「元気なうちに、生きているうちにしたいことがある」という相談がくるのだという。全てがすぐに叶えられるわけではなく、認知症や身体の状況、家族の様子から難しいと感じるものもある。しかし有山さんは、実現可能かどうかを現実的に考えて調整していくことが生活相談員の腕の見せどころだと力強く話してくれた。
「信頼関係が全ての仕事です。ここに来る方はそれぞれ違った人生を歩んできています。まずはそういった方々と世間話をしながら顔を覚えてもらうところから始まります。そして『ここに住んでも安心だ』という気持ちを持ってもらうことを一番大事にしていますね」(有山さん)
希望を叶えるのは単純なことではない。例えば「お墓参りに行きたい」といったことは比較的気軽に話してくれるが、その先の痛みや悲しみを共有したり、気持ちに寄り添えるようにならないと本当の信頼関係は生まれてこないのだという。また、希望を実現するためにお金がいくら必要になるといった現実的なことも出てくる。それでも100歳の女性が夫のお墓参りに行きたいという希望を叶えたり、スポーツクラブを借りる手配をしてプールエクササイズに93歳で初挑戦してもらったりと実績を着々と積み重ねているのだそう。
「私たちはとにかくご要望を断らないようにしています。できる限り、希望を叶えて差し上げたいです。そして自由にしたい人が自由に過ごせるように心がけています」(有山さん)
生活相談員は有山さん1人だが、介護職員とも情報共有をしながら入居者の悩み、希望を把握している。有山さんからは過去に叶えた希望の話もいくつか聞いたが、入居者に親身に寄り添っている様子がよく伝わってきた。自分自身、そして家族のための施設を選ぶ際は、建物のハード面に加えて、こういった実際の日々の生活を支えるスタッフともよく話をして決めたい。
撮影/津野貴生
【データ】
施設名:アイムス蓮根
公式WEBサイト:http://www.ims.gr.jp/hasune/
所在地:東京都板橋区蓮根3丁目14番10号
最寄駅:都営三田線「蓮根」駅より徒歩7分
類型:介護付有料老人ホーム
運営主体:株式会社ハンドベル・ケア
敷地面積:2255.53平方メートル
延床面積:4087.18平方メートル
室数:78室(全室個室、定員78名)
入居要件:契約時満65歳以上で介護保険制度において要支援・要介護の認定を受けている方
構造:鉄骨造4階建
開設年月日:2005年7月1日
料金:
●入居金プラン/入居前払金950万円、月額利用料24万3197円(月額利用料内訳は家賃相当額7万7083円<非課税>、月額管理料6万8400円<税込>、上乗せ介護費3万2914円<税込>、食費6万4800円<税込>)
●月払いプラン/入居前払金0円、月額利用料38万7780円(月額利用料内訳は家賃相当額22万1666円<非課税>、月額管理料6万8400円<税込>、上乗せ介護費3万2914円<税込>、食費6万4800円<税込>)
※施設のご選択の際には、できるだけ事前に施設を見学し、担当者から直接お話を聞くなどなさったうえ、あくまでご自身の判断でお選びください。
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