多世代が共に暮らしを営む介護付有料老人ホーム<後編>
ライフ&シニアハウス日暮里
「ライフ&シニアハウス日暮里」は、多世代型の「日暮里コミュニティハウス」に入っている。日暮里コミュニティハウスは12階建てで、4~6階が介護型の「シニアハウス」、7~11階が自立型の「ライフハウス」だ。1階にはフロント、食堂、多目的室、テナントとして保育園とクリニックがあり、12階に展望風呂という構成になっている。そして、2~3階に自主運営型の賃貸住宅である「コレクティブハウスかんかん森」がある。
日暮里コミュニティハウスをつくるにあたっては、ライフ&シニアハウス日暮里を運営する株式会社生活科学運営の理念に賛同して、一緒に住む人を集めるところから始めたという。そして、計画段階から賛同者で土地の見学や話し合いをし、共用部や居室の間取り、どのようなコミュニティをつくるのかが決められていった。当初は運営する上で効率的な2階に計画されていた風呂が、最上階の展望風呂となったのもそういった話し合いによるものだという。
保育園や多世代が暮らす「コレクティブハウス」との交流
ハウス長を務める廣神健二さんは、多世代型の住まいには様々な利点があると語る。高齢者にとってだけでなく、核家族化が進んでいる中、高齢者と接する機会は保育園の子どもにとっても貴重な経験になる。
「コレクティブハウスかんかん森のイベントに顔を出される入居者もいらっしゃいます。保育園の子どもたちと、朝は当たり前のこととして挨拶をしますし、日常的な交流がありますね。一日中、保育園の子どもを眺めている方もいらっしゃいますよ。ちょっと危ないなと思ったら子どもに声をかけたり、一緒に遊んだりと常日頃から保育園のお子さんたちと関わりを持っています」(廣神さん)
ライフ&シニアハウス日暮里と同じ建物の2~3階にある、コレクティブハウスかんかん森。居住者の坂元良江さんによると、コレクティブハウスとは、共用空間を持ち、時々は一緒に食事をするなどによって人と人とがゆるやかにつながるコミュニティをつくりながら、より心豊かな暮らしをする住まいのことだという。
「家族で住んでいるのは6組で、そのうち5組は小さなお子さんがいらっしゃいます。単身者の中には学生さんもいらっしゃいます。ライフハウスの方々とは一緒にお食事をしたり、イベントに参加してくださったりと交流がありますよ」(坂元さん)