連載
2019.10.10 06:00
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兄がボケました~若年性認知症の家族との暮らし【第10回 で、どうすりゃいいの?】
認知症の母が亡なり、若年性認知症の兄との2人暮らしが始まった。予想をはるかに上回るトラブルが続出する日々…。ライターのツガエマナミコさんが家族の日々を綴る連載エッセイ。
「明るく、時にシュールに」、でも前向きに認知症を考えます。

* * *
申請しなけりゃもらえない!?
2人暮らしになったのですし、兄はそう遠からず会社を辞めざるを得ないでしょうから、家は売って住宅ローンを返済し、残ったお金で買える小ぶりなマンションに住み替えようと考えました。なにしろ住宅ローンは、残り19年間。契約書では兄が77歳まで払い続けることになっていて、「こりゃ無理だろ」と心の声が洩れました。
わたくしにはそんな定収入はありませんし、母の年金もなくなったので、兄が認知症でなくても、なんとかしなければならない問題でした。
わたくしは何をすればいいのか?
どこに何を訊けば教えてくれるのか?
そもそもわたくしは何を知りたいのか?
母を亡くした当初は、そんなことをぐるぐる考えていたように思います。
じつを言うと今もそうです。兄が認知症とわかって3年以上経ちましたが