MCI(軽度認知障害)とは?発見方法と予防策を識者が解説
予防策は「早歩き」「食事」「知的活動」
MCIと診断されたらどうすればいいのか。
予防策の一つは「早歩き」という、驚くほど簡単なものだ。
「『脳内ネットワーク』が弱る一因は、脳内の細い血管が壊れて、微小出血を起こすことにあります。そこで、脳内の血管を強くすることが、認知症の発症を防ぎます。
ウオーキングなどの有酸素運動を1日30分、週3~4回行ってください。遅く歩くと効果がないので、散歩よりもややキツく感じ、少し息が上がるぐらいの早足がいいでしょう。そうすると、脳内で傷ついた血管の代わりに、新しい血管が作られるように促され、さらに新しい神経細胞のシナプスも生み出されるので、一度衰えた『脳内ネットワーク』を強化することができるのです」(前出・浦上教授)
効果はそれだけではない。認知症のなかで最も多い「アルツハイマー型認知症」は脳内に特殊なたんぱく質(アミロイドβペプチド)が蓄積して発症するとされる。有酸素運動はこのたんぱく質の蓄積を防ぎ、脳内で記憶をつかさどる海馬の働きを活性化する効果があるとされる。
「付け加えるなら、認知症予防のポイントはもう2つあります。1つは食事。脂っこいもの、塩分の強いものは控え、青魚や野菜、果物を積極的に摂取しましょう。
もう1つは知的活動です。パズルや折り紙、麻雀や囲碁、将棋などがいい。ひとりでやるより、大人数でワイワイと楽しんでやることも『脳内ネットワーク』によい影響を与えます」(前出・浦上教授)
最近では意外な嗜好品が、認知症予防に有効という報告もある。
イタリアのバーリ大学などの研究チームが今年7月に発表したところによると、習慣的にコーヒーを飲む人は飲まない人と比べ、MCIになりにくかった。コーヒーを飲まない人に比べ、発症リスクが1日1杯で半分、1日1~2杯だと3分の1まで減少したという。
まずは意識してちょっと早足で歩いてみること。そこから始めてみてはどうだろうか。
※初出:女性セブン
【関連記事】