複合施設の中にある注目カテゴリー・都市型軽費老人ホーム<後編>
ブルーポピー
初めて介護に直面する人で、都市型軽費老人ホームと介護付有料老人ホームとの区別がつく人はあまりいないだろう。
前編では都市型軽費老人ホームとは何か、板橋区で医療・福祉をトータルでサービス提供している朔望会グループの方針を書いた。今回、後編では、都市型経費老人ホーム「ブルーポピー」で、実際にどのような生活が送れるのかを具体的に紹介する。
都市型軽費老人ホーム「ブルーポピー」は、あくまでも住居である。職員が様子を見守ってくれているが、外出は自由だ。建物の出入り口はインターホンで管理されており、紛失防止の意味もあって、入居者はカギは持たずに外出する。この辺りの微妙なさじ加減が、見守りによる一人暮らしの不安感を払拭しつつも自由な生活を担保していると感じた。
風呂には自分で入り、入った後は各自簡単にきれいにしてもらい、共同生活の質を保っている。グループ内の各施設で経験を積んできた介護長の佐藤正俊さんによると、自分で入浴ができなくなってくることで、衰えを感じることが多いのだという。そうなってきた場合は、デイサービスに通ったり、ヘルパーを入れて対応する。そこが、介護付有料老人ホームとの違いだ。
佐藤さんは、「ご自身で、できる・できないの判断ができないこともあるので、職員が様子をみて、ご家族やケアマネジャーさんに伝えます。そういった情報のやり取りは密にしています」と見守りの様子を話す。
共用のキッチンがあり、自分で食事を作っている入居者もいる。ブルーポピーでは食事を提供しているが、入居者がその日の気分で作って食べることもあるという。この辺りも自由な生活ができていることの表れだ。また、提供している食事も自分たちで取り分ける。もちろん、外食するのも自由だ。