コミュニケーションを重視し個別ケアに取り組む介護付有料老人ホーム<後編>
もみの樹・杉並
大和ハウスライフサポート株式会社が運営する「もみの樹・杉並」は、京王井の頭線の永福町駅が最寄り駅。商店街を抜けた静かな場所に建っている。前編では、コミュニケーションを重視した運営についてレポートした。今回は安心してゆったりとした時を過ごすための施策、個別ケアをより充実させるために導入した介護ロボットなどについてご紹介していきたい。
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もみの樹・杉並では、入居者にゆったりとした時間を過ごしてもらうことを重視している。そのために国の基準の2倍となる入居者1.5人に対し、スタッフ1人という手厚い配置をしている。夜間帯には看護スタッフを含めて6人体制となる。それにより、入居者が就寝時、そして起床時に慌ただしく準備をする必要はなく、それぞれのペースで過ごすことが可能になっている。看護スタッフは24時間常駐。館内の清掃、洗濯は専門のスタッフを配置して、介護、看護スタッフがそれぞれの本来の仕事に専念できるようにしているのだ。
リハビリと看取りへの取り組みも重要
高齢者向け施設に入居する際、やはり気になるのはリハビリと看取りのこと。ここでは、常勤の機能訓練指導員を配置して、個別機能訓練プログラムを作成している。ポイントは「個別」だ。
「施設は、ケアの内容、金額面、自宅、ご家族から近いかなど、それぞれの方のニーズに合うところをお探しになるのが良いと思います。しかし、今はお元気でも、介護・医療面、看取りのこともチェックが必要です」(大和ライフサポート株式会社 執行役員・館長 鈴木利香さん、以下「」は同)
入居者本人、家族の意思、医師の判断、施設側の体制を踏まえた上で行われる看取りケア。今までもみの樹・杉並で看取った人数は41人。手厚いスタッフの配置、地域医療機関との連携、開設から10年の運営実績があるので、安心して相談することができる。入居者本人と家族で、看取りについても事前に話し合って決めておくことが重要だ。元気なうちは話しにくいことかもしれないが、決してネガティブな話ではない。希望する看取りを話し合うことで、それまでをどこでどのように過ごすか、という話ができるのだ。