介護ストレスでも起こる!「耳鳴り」にはツボ押しが効果的
耳鳴り患者さんにツボ押しを試したら効果抜群
私は以前勤務していた総合病院で、耳鳴りに悩む患者さんについて調べたことがあります。その結果、共通した特徴があることがわかりました。
まずあげられるのは、ほぼ全員が首や肩のこりを訴えていたことです。さらに詳しく調べると「ネコ背」や前かがみ姿勢の人が多くいました。背中を丸めたり首を前に突き出したりする姿勢は、こりの原因となるだけでなく首の脛骨動脈を圧迫し、頭部への血流を悪化させます。その結果、内耳の血液循環も悪くなり、感音部の機能低下を引き起こすのです。
こうした患者さんたちに、首や肩にあるツボを押すようにすすめたところ、1か月程度でこりが解消し、耳鳴りが改善した人が続出しました。私はツボへの刺激によって血流が高まったと見ています。その後も耳鳴りに悩む患者さんには、ツボ押しを試すことをおすすめしています。
もう一つ見逃せないのはストレスです。ストレスは、血圧の調整にも関わる自律神経の働きを乱し、血流を低下させます。耳鳴りに悩む人は40~60代の女性が多いのですが、日常的にストレスがたまっていることが見受けられました。最近は「介護疲れ」から耳鳴りを発症する人が増えています。
ストレスが原因の耳鳴りにもツボ押しは有効です。私が治療した患者さんも、これで改善した人が多くいます。どんな治療を受けても、耳鳴りがなかなか治まらないと悩んでいる人は、ツボ押しを試してみてはいかがでしょうか。
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