終の棲家としての老人ホーム<3>全国の看取りが凄い施設
老人ホームで最期を迎えることが当たり前になってきた。では、どんな老人ホームを選べはいいのか、入居前にどんなところをチェックすれば、本当に「看取り」をしてくれるのか?
高齢者施設の専門家(※注)の指南で、施設の見極め方には、以下9つのチェックポイントがあることを第1回では紹介した。
・医療機関と一体化しているか
・2人に1人を看取っているか
・車椅子を手入れしているか
・食事や入浴が自由にできるか
・夜間におむつを換えてくれるか
・室温を入居者に合わせてくれるか
・最期に家族が立ち会えるか
・看取りケアプランがあるか
・死後の面倒まで見てくれるか
今回は、第2回に引き続き、これらの条件を満たす施設を、全国から厳選し、紹介する。入居から看取り、そして、死後に至るまで安心のサポートが受けられる「幸せに死ねる老人ホーム」はここだ!
※注 専門家は以下の2名
田村明孝氏:「タムラプランニング&オペレーティング」代表
佐藤恒伯氏:介護情報誌『あいらいふ』編集長
* * *
ライフ・イン京都(京都府京都市西京区)
業界随一の老舗が取り組む「入居者本位のケア」
開設以来、約200人の入居者を看取った実績を持つ。「看取りは日常の延長線上にある」をモットーに終末期ケアに取り組んできた。
田村氏が解説する。
「看取りサービスに関して、業界をリードしてきた老舗施設です。経営母体が総合病院を運営する社会福祉法人であるため、緊密な医療連携や緊急時の受け入れ態勢なども整っており、安心・安定感は抜群です」
状態を職員間で共有し、看護・介護の進め方を検討する「ターミナルケア委員会」や、看取りが近づいた入居者に対して何ができるのかを考える”できることミーティング”の開催など、入居者の終末期の要望に添ったケアを実施している。
葬儀の大半は施設内で執り行なわれ、希望すれば共同墓所への納骨もできる。
家族倶楽部(埼玉県狭山市)
財産処理まで引き受ける充実のアフターフォロー
佐藤氏が「自分が入るならここ。看取りの”その先”を行く施設です」と太鼓判を押す。
理由は、身寄りのない入居者の納骨まで引き受ける、柔軟で人情味に溢れたアフターフォローにある。
運営会社であるヘルスネットワークの西村幸一郎・常務の話だ。
「当ホームの理念は、”入居者が望まれるような最期を迎えていただく”というものです。入居者の希望により、納骨以外にも、最期に会っておきたい人へのお声がけや、弁護士に依頼し公正証書を作成するなどして、財産処理のお手伝いをしたこともあります」
ビフォーも充実している。終末期、入居者が独りで旅立つことがないよう、日中は職員が、夜は家族が付き添う形で24時間誰かが傍にいる態勢を築いている。