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森ビルとセコムが手を組んだ最高級介護付有料老人ホーム<前編>

サクラビア成城

 都心近郊の閑静な住宅地として不動の人気を誇る成城に、3000坪にも及ぶ敷地を有する豪華な介護付き有料老人ホームがある。森ビルとセコムが共同出資する会社「プライムステージ」が運営する「サクラビア成城」は、四季を感じさせる樹木と共に静かに時を重ねてきた。成城の地にふさわしい圧倒的な高級感は、生活に関わる全てに“おもてなしのこころ”が行き届いている。言葉を選ばず言い切ろう。そこはまさに“選ばれた人のみが過ごすのにふさわしい最上級の住まい”だった。

 サクラビア成城の名称は、成城の桜並木と古代ローマ・ラテン語の「聖なる(サクラ)道(ヴィア)」を由来としている。施設の案内をしてくれた早川秀延さん(お客様相談室担当部長)と川岸美加さん(レジデントサービス部次長)にお話を聞いたところ、開設時に60代だった入居者で、今も変わらずお住まいの方が複数いるという。まさに生涯の暮らしを支えているのだ。

食事の充実ぶりに“最上級”の真髄が

「フィレステーキ」「野菜の天婦羅盛り合わせ」「お刺身盛り合わせ」。リゾートホテルのメニューと見紛うような料理は、サクラビア成城で毎日味わうことのできるものだ。30種類以上のメニューが用意され、和食、洋食、中華を自由に選択できる。

「お食事は予約制ではなく、メニューにあるものを自由に選んで召し上がることができます。その日のご気分、体調に合わせてお好きなものをお好きなだけ選べます」(川岸さん)

「豪華客船の『飛鳥』に乗っていたシェフもいます」(早川さん)

 飽きがこないように日替わり・週替わりのメニューがあり、さらに季節に合わせた特選メニューを選ぶこともできる。高齢者向けの施設では、その日の食事内容は決まっていることが多いが、ここではレストランで食事をするのと変わらない。1週間後に食べたいものを予約するのではなく、その日その時に食べたいものを食べられるので、食事に縛られない生活を送ることができる。全てのメニューにカロリーと塩分が表示されており、自分で健康管理をするための目安にもなっている。

 お粥や雑炊など体調が優れないときのメニューの用意もあり、好みによって具材やご飯の固さ、お茶の温度を調整することも可能だ。体調が思わしくない時、病気などで食事制限がある場合は、医師や栄養士、調理師が協力して栄養バランスや味付けに配慮した食事を用意してくれる。

 また、毎週木曜日の夕食時には寿司の『美登利』の出張サービスがあり、出かけることなく本格的な寿司を楽しむことができる。さらに、ソフトクリームなどのデザート、アルコールも充実しており、家族や友人との団らんをするためにわざわざ予約をする必要がなく、ゆったりとした時間を過ごすことができるのだ。高齢になってきて外出がままならなくなってくると、食事が最大の楽しみになってくることが多いが、ここではそのための最高の食環境が用意されている。

24時間365日体制の医療と介護ケア

「介護のケアが必要になって、あらためてここを選んで良かったというお声をいただくこともあります」(早川さん)

 環境や食事、コンシェルジュ、フロント…などが提供する生活サポートに目が奪われがちだが、医療、介護への充実ぶりもサクラビア成城の特長だ。自立できている状態で入居するため、最初は医療、介護体制の手厚さをあまり感じることは少ないのかもしれない。しかし、年齢を重ねるごとに入居者本人はもちろん、その家族も充実ぶりを実感し、喜んでいるという。

 サクラビア成城では、24時間365日、医師が4階の「医療法人社団聖桜会 サクラビアクリニック」に常駐している。万一のことがあれば、医師と看護師が居室まで駆けつける体制が整っているだけではなく、年2回の人間ドッグや健康維持のためのホームドクターの役割も提供している。高度医療や手術などについては、東京女子医科大学病院や近隣の高度医療機関と連携しており、万全の態勢だ。同じ建物に医師が常駐している以上の安心感はないだろう。

 介護体制も手厚い。「生涯介護」を掲げており、原則他の施設に転居する必要はない。住み慣れた居室と介護居室を併用し、24時間365日のサポート体制で介護を受けることができ、要介護者1.5人に対してスタッフ1人以上というマンツーマンに近い介護体制を享受できるのだ。

安心を盤石にするセキュリティと防災への備え

 施設運営の共同出資会社でもあるセコムによって、24時間常駐での警備がなされている。全居室に設置されているナースコールや生活リズムセンサーが発する警報は、ケアステーション、サクラビアクリニック、そして防災センターの3か所が同時に感知する体制となっている。

 建物の地震対策も万全だ。サクラビア成城の地下17メートルには強固な地盤があり、そこに177本もの杭を打ち込んでいるという。その効果は東日本大震災の時に目立った損傷がなかったことが証明している。

 居室にはスプリンクラーも設置されており、3日間の食料と60トンもの水の確保、簡易トイレや携帯ラジオ、懐中電灯などの非常用品を各フロアの倉庫に備蓄している。

 * * *

 次回後編では建物6700坪の半分を占める共用施設を中心に、さらにその最上級の住まいの詳細を紹介していく。富士山を望むスカイラウンジ、ピアノが設置されたホール、シアタールーム…などなど、不自由なく過ごすための設備が満載だ。

施設_サクラビア_5

【データ】
施設名:サクラビア成城
公式WEBサイト:http://www.sacravia.co.jp/
所在地:東京都世田谷区成城8-22-1
最寄駅:小田急線「成城学園前」駅下車徒歩15分、専用シャトルバスあり
類型:高齢者用集合住宅・介護付有料老人ホーム(一般型特定施設入居者生活介護)
運営主体:株式会社プライムステージ(株主:セコム医療システム株式会社、森ビル株式会社)
敷地面積:9,972.92平方メートル(3,016.79坪)
延床面積:22,403.26平方メートル(6,776.98坪)
居室数:150室
定員数:200人
入居要件:自立のみ
構造:鉄筋コンクリート造陸屋根、地下1階、地上10階
開設年月日:1988年12月10日
料金: 前払い入居金:10395万円~、月額利用料242,128円(1人入居の場合)
※入居金は入居一時金(家賃相当額)、介護一時金、生活サービス一時金の合計
※入居一時金は居室タイプ、階数によって異なる

撮影/津野貴生

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