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健康

【繰り返すぎっくり腰】「安静にしすぎはNG?」再発を予防する3段階ケアを理学療法士が伝授「改善に役立つ皮膚と筋肉の癒着をはがす“スキンロール”法とは」

 突然起こる「ぎっくり腰」。激しい腰の痛みで動くことが困難になるが「安静にしすぎるのはよくない」と言うのは理学療法士の松田圭太さん。「ゆるめる・鍛える・動かす」を軸とした運動療法「MSMメソッド(R)」の考案者だ。松田さんに「ぎっくり腰」を予防するメソッドを伝授してもらった。

教えてくれた人

松田圭太(まつだ・けいた)さん/理学療法士・整痛院ふっか総院長・慢性疼痛徒手技術「MSM メソッド(R)」創始者。理学療法士として、医療現場に長年携わった経験から、慢性腰痛など“3年以上続く痛み”に特化、運動療法と認知行動療法を組み合わせた“整痛”治療院「整痛院ふっか」(https://fukka.jp/)を開業。

急性期・回復期・予防期 3段階ケアで再発予防

 重い荷物を持ち上げた時やくしゃみをした時など、日常生活のふとした瞬間に激痛が走る「ぎっくり腰」。正式名称は「急性腰痛症」で、その名の通り突然の痛みに襲われる。

「しかし本当の原因は、腰だけでなく全身の筋肉疲労の限界です。“荷物”は最後の一押しにすぎません。睡眠不足やストレス、運動不足などによる筋肉の疲れがコップの中に一滴ずつたまっていき、ある時、些細な動作が最後の一滴になって水が溢れ出す。それがぎっくり腰の痛みです」(理学療法士・整痛院ふっか総院長の松田圭太さん)

 ぎっくり腰は繰り返しやすいが、年齢や筋肉量とは関係なく、特に再発しやすいのは安静にしすぎる人だという。

 松田さんは3段階に分けて、ぎっくり腰の再発予防を指導している。

「発症から3~7日の急性期は“とにかく安静に”と思いがちですが、完全に寝たきりでいてはダメ。トイレに行く、寝返りを打つなど、可能な動きを探してください。強い痛みがあればコルセットを着用して動きましょう。保冷剤や冷湿布で炎症を抑えたり、市販の鎮痛剤を使用するのもOKです」

 3日~2週間後の回復期には、入浴やカイロなどで筋肉を温めてゆるめ、散歩やストレッチなど痛みが出ない範囲で体を動かす。ただし、前屈は避けるほうがいい。

 さらに重要なのは、2週間以降の「予防期」だ。

「腹筋、背筋、お尻の筋肉を中心に、全身の弱った筋肉を鍛えましょう。長時間同じ姿勢でいるのを避けることや体重管理、適度な運動など生活習慣の改善も大切です。また精神的ストレスも筋肉を硬くする原因のひとつ。人とおしゃべりすることが、ストレス解消の最大の薬になります」

ぎっくり腰改善に役立つ「スキンロール」

 ぎっくり腰に効果的なメソッドのひとつが「はじまりスキンロール」だ。

 皮膚をつまんで皮膚と筋肉の癒着をはがす方法で、手、足、お尻、腰など全身に触れ、“痛気持ちいい”場所を探しながら硬い部分を入念に動かしていく。

 もうひとつ、「お腹スキンロール」で腹部の皮膚をゆるめるのも効果的だという。

「痛みを抱えている人は皮膚、特にお腹の皮膚が硬くなっています。お腹をゆるめてあげると、全身の筋肉がほぐれ、ぎっくり腰の再発予防につながります」

 ひざを立てた状態で仰向けに寝て、お腹の皮膚をつまんで5秒程度揺らすように動かす。つまむ場所を少しずつずらしながら、ゆっくりと。痛気持ちいい場所や硬い部分は入念に行なおう。

 スキンロールでほぐれたら足をゆるめるとなお良い。また、足をゆるめる「あし指ぐるぐる」、足を鍛える「あし指じゃんけん」も効果的だ。

「すべてのメソッドに共通するのは、“無理をしない”“我慢をしない”。運動中は呼吸を止めず、息を吐きながら動くことを意識して行ないましょう。何より、ポーズができなくても楽しく続けることが大切です。ポジティブな人は痛みを感じにくいと言われています」

 体の仕組みを正しく理解し、適切なアプローチで腰痛に向き合いたい。

皮膚と筋肉の癒着をはがす「お腹スキンロール」

 痛みを抱えている人の体は皮膚、特にお腹が硬い。お腹をゆるめてあげると、全身がほぐれます。皮膚を上下に揺らしながら痛気持ちいい場所をほぐす。

【1】仰向けでひざを立てて寝る。

【2】痛気持ちいいと感じる程度の強さでお腹の皮膚をつまみ、5秒程度揺らすように動かす。

【3】つまむ場所を上や下などずらしながら、ゆっくり行なう。痛気持ちいい場所や硬い部分を入念に動かす。

硬く縮まった足をほぐす「あし指ぐるぐる」

 足の指が使えていないと、歩く時に全身に無理な動きが出てしまう。硬く縮まった足指をほぐすことからスタート。

【1】回す方の足を太ももにかけて、足首は太ももより外に出す。足の指の間に、手の指を奥までしっかりと入れる→足の甲を持ちながら、1回7秒ほどゆっくり回す。10〜20周したら逆回しも行なう。

<ポイント>手の指はできるだけ奥まで入れる。

足の指をしっかり使えるようになる「あし指じゃんけん」

 歩く時に地面をつかむことができるのは、足の指が動いてこそ。猫背でひざを曲げた歩行のクセ「ペンギン歩き」もこれで解消できる。

【1】かかとを地面につけて、座った状態でスタート。足首は曲げて、足の先が天井を向くように意識(足首は内側・外側に向きすぎないように)。指の部分を少し地面から離して、それぞれの動きを3~10回程度行なう

<グーの形>足の先は天井を向く

<チョキの形>余裕があれば、親指を下に向けるチョキもやってみよう

<パーの形>足の甲に、足がつるような感覚があれば正しく効いている

イラスト/タナカデザイン

※週刊ポスト2026年5月1日号

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