ぎっくり腰予防20秒ストレッチ法 実は「太もも」と「お尻」をのばすことが大切
新生活を迎える春は、引っ越しや模様替えなど急に重い物を運ぶことも増えて、ぎっくり腰が急増する季節でもある。腰痛を招く原因は、運動不足や疲労などによって硬くなった筋肉や衰えた筋力だという。
予防には「太もも」と「お尻」のストレッチが効く
「もう、あんな痛みはこりごり…」。そんな、ぎっくり腰経験者はもちろん、未経験の予備軍の人も、ぜひ試してほしい腰痛予防ストレッチ。特に腰痛のある人は、想像以上に硬くなっている下半身の筋肉に驚くはず! 1回20秒のストレッチを日課にして、ぎっくり腰知らずの“柔らかい筋肉”を目指しましょう。
「伸ばすべきところは、実は腰ではなく、太ももやお尻まわりです」と言うのは、リペアセルクリニックのリハビリテーション科科長の林正憲さんだ。
太ももの筋肉は骨盤に付いているため、ここが硬くなると骨盤が引っ張られ、腰に負担がかかる。さらにお尻の筋肉は歩く際、股関節にかかる衝撃を吸収する役割があり、ここが硬いとうまく衝撃を吸収できず、腰にその衝撃が伝わってしまうという。
「下で紹介する4つの運動はどの順番でやっても問題ありません。左右については、やってみてどちらかラクな方から始めてください」(林さん・以下同)
ぎっくり腰予防20秒ストレッチ
ぎっくり腰になってから日が浅くても「気持ちいい」と感じるなら行っても問題ない。行う場合は、20秒を目安にしよう。
「ストレッチをしていて、たとえば『太ももの筋肉を伸ばしている』という情報が脳に伝達されるのに、10~20秒かかるとされています。10秒以下では脳にうまく伝わらないので、しっかり伝わるように20秒は行いましょう」
左右で1セットとし、各運動2~3セット行うのがベストだが、あくまで、無理のない範囲でやってみよう。
1.太ももの前側を伸ばす
【1】床に座り、片足を真っすぐ前に伸ばす。反対の足はひざを曲げ、正座を崩したような状態にする。このとき曲げた方の足首は真っすぐに伸ばす。指先は体の方に向け、両手のひらを体の後ろの床につける。
【2】両手を後ろにずらしながら、上半身を後ろに倒していく。
【3】曲げた足の太ももの前側が伸びていると感じるところまで体を倒す。可能であれば、ひじが床につくまで、もしくはあお向けになるまで上半身を倒し、その状態で20秒キープする。
2.太ももの後ろ側を伸ばす
【1】自分のひざくらいの高さの椅子や台などの前に立ち、片足を乗せる。このとき、上げた足が真っすぐ伸ばせるように、立つ位置を調整する。
【2】椅子に乗せた足の太ももに両手を軽く乗せる。太ももの後ろ側が伸びているのを感じるまで両手で足を軽く押しながら上半身を前に倒し、20秒キープする。
【2】椅子に乗せた足の太ももに両手を軽く乗せる。太ももの後ろ側が伸びているのを感じるまで両手で足を軽く押しながら上半身を前に倒し、20秒キープする。
3.お尻~太ももの筋肉を伸ばす
【1】椅子に座り、片足のすねからくるぶしあたりを反対の足の太もも(ひざより少し上側)に乗せる。
【2】乗せた足のひざに両手を重ねて、下に向かって体重をかけて押しながら、上半身を倒す。お尻から太ももの横側が伸びているのを感じたら20秒キープする。
4.お尻を伸ばす
【1】床にあお向けになり、ひざを軽く曲げる。
2】上の3の動きを寝ながら行う要領で、お尻を上げながら片足のくるぶしあたりを反対の足の太もも(ひざより少し上くらい)に乗せる。足のすき間に片手を入れて図のように両手を組み、太ももを上半身に引き寄せる。乗せた足のお尻あたりに伸びを感じるところで止めて20秒キープする。
教えてくれた人
林正憲さん/リペアセルクリニックリハビリテーション科科長。整形外科リハビリスタッフ。再生医療においてもリハビリを提供している。
取材・文/苗代みほ イラスト/大窪史乃
※女性セブン2022年4月7・14日号
https://josei7.com/
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