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連載

母、83才の誕生日「介護予防サービス開始」NO老いるLIFE~母と娘のほんわか口福日誌~第57話

 慢性膵炎を抱える母と山口県で暮らす、漫画家で栄養士の資格をもつうえだのぶさん。膵炎は落ち着いているものの、脚の不調を抱えた母は、新たに介護予防サービスを利用してリハビリ型デイサービスへ通うことに。その手続きと、83才の誕生日を迎えた母のエピソード。

無事?誕生日を迎え83才に

 今回のエッセイが公開される頃には、のぶママひとつ年をとって「無事」83才になってます。脚の方は相変わらず、杖やカート無しでは10分も立っていられない状態ですが…。

 昨年の誕生日はマツケン様のコンサートに行って客席でオーレ♪とサンバを踊っていたことを考えると「無事」ではないのかもしれません。

 でも、今年の5月~7月のドタバタ&不安で一杯だったあの時期と比べたら…。

 前回「ケアマネさん」のワードがチラリと出ましたが、「リハビリ型デイサービス」※の無料体験をした母、すっかり気に入って自分から「通いたい」と言い出したところまではお話しましたね。

※「介護予防・日常生活支援総合事業」。市区町村が実施する介護予防サービスを活用できる。要支援1・2の人や「サービス事業対象者」の認定(25項目の基本チェックリストに回答する)を受けた高齢者が対象となる。

 その旨を地域包括支援センターの担当スタッフさんに伝えたところ、2日後にはケアマネさんと一緒に我が家に手続きに来てくださいました。介護予防事業のデイサービスに通えるようになるまでの段取りは、ざっくり3ステップでした。

ステップ1(自宅に訪問)

【1】支援センターの担当さん→「サービス事業対象者」申請のための聞き取り
【2】ケアマネさん→ケアプラン作成のための聞き取り

ステップ2(保険証が届く)

認定されたら、保険証が届く→地域包括支援センターのケアマネさんに報告

ステップ3(通所の手続き)

【1】地域包括支援センターのケアマネさん→ケアプランの確認
【2】デイサービスとの契約

 ドキドキしながら支援センターに電話したのが7月の中旬、デイサービスのスタートが8月の中旬(その間に整形外科のセカンドオピニオンにも行って)、あれよあれよと嵐のような1か月でした。

 でも、こちらから市役所に行くこともなく、全部「お任せ」で話が進んだのはビックリでしたし、ありがたかったですねえ。

 こうしてリハビリがスタートし、セカンドオピニオンも終え、約1か月経った今の母ですが、

「病院でもらう薬で脚のダルさが少しラクになったいね(なったよ)♪」

「整体で全身をほぐしてもらうと気持ちええし身体が軽くなるんよ♪」

「週イチのリハビリめっちゃ楽しいわー♪」とご機嫌です。

 整形外科の先生の見立て通り「筋肉の減少」が脚の不調の原因なら、筋肉をつけるためのお膳立てとしてはバッチリな気がします。実際、すこおぉぉぉぉしなんですが、今までより脚の動きがしっかりしてきた気がします(個人の見解です)。

母の表情が明るくなった!

 それよりも何よりも、母の表情が明るくなりました。元気が戻ってきました。

 今回のドタバタを振り返ってみると、「介護予防」というワードに出会えたのが一番大きな出来事だったと思います。この言葉を聞いた時の母の「えっ⁉」という顔。あの時から流れが変わったように思います。

 ぶっちゃけ、使えるサービスは要介護認定(要支援1・2、要介護1~5)を受けた方が多いです。母の行くデイサービスも「要支援1なら週2回通えますよ」って、ケアマネさんに言われたんですが、母は既聴スルーです。母にとっては「介護の予防なんだよ」ってとこが肝心なんでしょうね、多分。

 私としては「正解」はどうあれ、母が納得してればそれでいいのでこのまま見守るつもりです。

 というわけで、脚の状況は変わりませんが、こんなにも心穏やかで明るい気持ちで過ごせただけで、今年は充分「無事に誕生日を迎えられた」と言っていい気がする私でした。

誕生日「何が食べたい?」

 もう何年も前から、母の誕生日には私が食事に連れて行き弟がケーキを買ってくる、というのが定番になっています。

「慢性膵炎」と診断されてから4年、今も膵管には石が2つあっていつどうなるかわからない状況、「脂質1食10g目安」の食事は膵臓になるべく負担をかけないための地味な努力です。

 主治医の先生からは「あまりストイックにならなくても大丈夫」「1年に1回くらいなら、脂質をしっかり摂ってもいいですよ」と、笑顔で言われているので、時々油物&誕生日は無礼講にしています。

それにしても…。母に「何が食べたい?」と聞くと100%「う~ん、やっぱ揚げ物かねえ♪」と返ってきます。

 ――マジか?

 私自身がそんなに油物に執着がないので、80才超えてこんな持病まで持ってるのに、「天ぷら」とか「唐揚げ」「エビフライ」「アジフライ」「メンチカツ」とか嬉しそうに言ってくる母に驚嘆です。

  何才くらいまで「揚げ物食べたい♪」って言ってくるんだろう? こちらもしっかり見守っていこうと思います。

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絵と文

漫画家・うえだのぶ

うえだのぶさん

 イラストレーター・漫画家。58才。山口県で83才の母とふたり暮らし。40代で地元の短大に入学し、栄養士の資格を取得。地元山口県を拠点に、漫画を利用した食育や時短調理などの栄養講座の講師なども務めている。
アメブロ:https://ameblo.jp/abareinupoti/ インスタ: https://www.instagram.com/nobuueda/?hl=ja
『読者体験!リアル迷惑人間大集合1 』Kindle版が発売中。

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