糖化・酸化を防ぐ!老けない食事の選び方「白米VSパン」「そうめんVSそば」【専門家監修】
私たちの体は食べ物でできている―だからこそ日々の食事の選択を間違えると、老化のスピードが増したり、病気になりやすくなる。そんな「老化の分かれ道」を専門家に徹底取材。これであなたも長寿の仲間入り。
教えてくれた人
吉村芳弘さん/熊本リハビリテーション病院サルコペニア・低栄養研究センター長、佐野こころさん/医学博士、望月理恵子さん/健康検定協会理事長・管理栄養士
毎日の食事が細胞の老化スピードに影響
メイクやファッション、美容……年齢に抗い、なんとか若返ろうと思っても体は自然に老いていくもの。だからこそ、いつまでも老けこまず、若々しくいるためには体の内側に気を配らなければいけない。
熊本リハビリテーション病院のサルコペニア・低栄養研究センター長の吉村芳弘さんが指摘する。
「毎日の食事は肌や髪の毛、爪、筋肉、血管、内臓などいろいろな臓器の細胞の健康を保つことに使われています。つまり日々の食事の内容は、細胞の老化スピードに直接的に影響を与えているのです」
医学博士で、予防医学が専門の佐野こころさんが続ける。
「日本人女性の平均寿命と健康寿命には約12年の開きがあります。その健康期間の差は、生まれてから死ぬまで、どのような食事をしてきたかによって変わってくるのです」
それはすなわち、正しい食事の選択をすることが重要だということ。
「食生活を見直すと、老化のスピードを落とすことができますし、逆に若返ることも可能です。バランスのいい食事は細胞を修復して、体の内面から強くし、老化を防ぐことにつながるのです」(吉村さん・以下同)
『糖化』と『酸化ストレス』が老化を加速させる
食事選びで間違えないために、老ける食事の特徴を押さえておきたい。
「体を老化させるものとして、『糖化』と『酸化ストレス』がキーワード。糖化は血糖値を急上昇させる食べ物で起こりやすく、特徴は“白い食べ物”です。例えばうどん、そうめんといった麺類、白米、お菓子でいったら和菓子よりも洋菓子です。スナック菓子やカップ麺、マーガリンやソーセージといった塩分や脂肪分の多い超加工食品を食べると、体内で活性酸素が生じやすく酸化ストレスを与えます」
小麦製品や砂糖、加工食品は腸内環境を乱し、腸壁のバリア機能を低下させて全身に毒素やウイルスが漏れ出す「腸漏れ」を招くとも指摘される。
これらを知ったうえで、より健康にいい食品を選べるように老けない食事の特徴も押さえておきたい。健康検定協会理事長で管理栄養士の望月理恵子さんがこう言う。
「鮮度が落ちると食べ物は酸化します。当然、それを食べると酸化ストレスを受けることになるので、できるだけ鮮度がいいものを選んでください」
老化物質を取り除く、食品選びも大切だ。
「同じ野菜でも緑黄色野菜を選ぶなど、抗酸化作用がある食品を選ぶことで酸化ストレスを減らすことができます」(佐野さん)
では具体的に、老けない食事はどのようなものか。普段、私たちがよく口にするものを中心に二択形式で識者に回答してもらった。まずは、たんぱく源として優秀な肉と魚なら、どちらがいいのか。
「魚です。魚の油はDHA・EPAのオメガ3脂肪酸が豊富なため、血管を老化から守ってくれます。それにより高血圧などの生活習慣病、心筋梗塞や脳卒中などの血管系の病気や認知症の予防に効果的です」(佐野さん)