温め力最強の野菜で作る<ホットサラダ&ディップ>「体を温めて胃腸を元気に!」【薬膳料理家が考案】
気温が下がり本格的な冬になりつつある。こんなときは体調を崩さないよう、毎日の食事で体の中から温まる習慣をつけたい。そこでおすすめしたいのが“ホットサラダ”。冬野菜には体を温める効果のあるものが多く、しかもフライパンひとつ(ワンパン)でできる簡単なメニューばかり。冷たい野菜にかけて食べたいホットディップレシピとあわせてご紹介します。
教えてくれた人
薬膳料理家・大友育美さん/国際中医薬膳師。家庭で手軽に作れる体にやさしい薬膳レシピなどを考案し、テレビ、書籍、雑誌、Webメディアなどで紹介。近著に『いたわり発酵ごはん 不調しらずの体をつくるおいしい薬膳の知恵』(マイナビ出版)
フライパン1つで作るホットサラダ
「食材にはそれぞれ、体を温める、冷やす、冷やしも温めもしない働きがあると、中医学では考えられています。 とはいえ、体を温める野菜だけを食べても、余分に生み出された熱で、イライラするなどのトラブルが起きます。冷やす食材も、バランスよく摂ることが大切です」とは、国際中医薬膳師の大友育美さん(「 」内以下同)。
また、野菜を摂るにはフライパン調理もおすすめだという。
「少量の水を加えて蓋をすれば、短時間で火が通り、栄養を逃しにくいからです。野菜を温めて食べることで、胃腸を冷やさず、効率よくエネルギーを作り出せますよ」
※材料は表記のあるもの以外2人分。電子レンジは600Wを使用。
かぼちゃの塩こんぶバターサラダ
【1】かぼちゃ1/4個(300g)は1㎝の厚さに切ってフライパンに並べ、塩こんぶ大さじ1と1/2、水大さじ3を入れ、蓋をして中火にかける。
【2】煮立ったら中弱火にして4分蒸し焼きにする。その後、火を止め、バター10gをのせる。
あったかポイント
中医学でかぼちゃは、慢性的な疲労感や便秘に効果あり。胃腸の消化吸収も高めてくれる。バターは、肌のかさつき、空咳、便秘など、潤い不足が原因の不調に◎。
小松菜とちくわのホットナムル
【1】小松菜1束は5cmの長さに切り、ちくわ2本は斜め切りにしてフライパンに入れ、おろしにんにく小さじ1、水大さじ2、しょうゆ・鶏がらスープの素各小さじ1を入れて蓋をし、中火にかける。
【2】煮立ったら2分蒸し焼きにし、ごま油小さじ1を加えて混ぜる。
あったかポイント
にんにくには、気と血の巡りを整え、体を温める効果が。腹痛、下痢、胸のつかえにも有効。小松菜は、潤いを補う効能があり、便秘、空咳、肌の乾燥に効果的。
れんこんとねぎの中華風ホットサラダ
【1】8mmの厚さに輪切りにしたれんこん小1節(200g)、小口切りの長ねぎ1本分、鶏がらスープの素小さじ1、水大さじ3をフライパンに入れ、蓋をして中火にかける。
【2】煮立ったら中弱火にして8分蒸し焼きにし、ごま油小さじ1をふる。
あったかポイント
中医学でれんこんは体を冷やす野菜だが、肌の乾燥、免疫力アップに効果的。体を温めるのは長ねぎ。お腹を温め、風邪の初期症状、下痢にも有効。
ブロッコリーの高菜漬け和えサラダ
【1】小房に分けたブロッコリー1株、刻み高菜漬け大さじ3、塩ふたつまみ、水大さじ3をフライパンに入れ、蓋をして中火にかけ、煮立ったら4分蒸し焼きにする。
【2】ごま油小さじ1を加えて混ぜる。
あったかポイント
高菜のピリっとした辛さには、血液をサラサラにして、動脈硬化や高血圧を予防するイソチオシアネートが含まれている。むくみ、便秘にも効果的。
焼き長いものキムチチーズサラダ
【1】長いも8cm(200g)は1cmの厚さの輪切りにし、サラダ油小さじ2を引いたフライパンに並べて水大さじ2を入れる。蓋をして中火にかけ、2分蒸し焼きに。
【2】長いもは途中で裏返し、塩ひとつまみを全体にふり、キムチ60g、ピザ用チーズひとつかみをそれぞれにのせる。
【3】火を止めて蓋をし、チーズを溶かしたら、最後に糸唐辛子適量をのせる。
あったかポイント
キムチは体を温め、冷えからくる肩こり、関節の痛みを改善する。長いもには栄養を効率よく吸収してエネルギー(気)を作り、免疫力を高めて疲労を回復させる効果がある。
にらとのりのホットサラダ
【1】5cmの長さに切ったにら1束、水大さじ1、しょうゆとポン酢各大さじ1をフライパンに入れて蓋をし、中火にかけて煮立ったら、そのまま1分蒸し焼きにする。
【2】もみのり・かつおぶし各少々、オリーブオイル小さじ2をかける。
あったかポイント
にらは血の巡りをよくし、腎(じん)に働きかけて足腰の冷え、腰痛を改善する。のりは体を冷やす食材だが、腎の働きをよくするので、にらと併せて摂ることで老化予防に効果的。
かぶとしらすのホットサラダ
【1】茎を少し残してくし形切りにしたかぶ3個、しらす干し30g、小口切りのかぶの葉4本、塩ふたつまみ、水大さじ3をフライパンに入れ、蓋をして中火にかける。
【2】煮立ったら中火のまま5分蒸し焼きにし、最後にオリーブオイル大さじ1を回しかける。
あったかポイント
かぶとしらす干しが温め食材。特にかぶは胃腸にやさしく、胃もたれ、お腹の張り、便秘、げっぷを改善。肺を潤し、咳、声がれにも効果がある。
ホットディップレシピ4選
冷たい野菜には温かいソースで“ホットサラダ”に! ホットディップ4品のレシピをご紹介します。
和風バーニャカウダ
おろししょうが・みそ各大さじ1、豆乳大さじ3、片栗粉小さじ1/2を混ぜてラップをかけ、電子レンジで40秒加熱。最後にオリーブオイル大さじ1を混ぜる。
あったかポイント
しょうがとみそがWで体を温める。
ホット甘酒ごまドレッシング
市販の甘酒大さじ3、白すりごま・しょうゆ・黒酢各大さじ1、片栗粉小さじ1/2を混ぜてラップをかけ、電子レンジで2分加熱。最後にごま油大さじ1を加える。
あったかポイント
甘酒と黒酢に体を温める効果が。
ピリ辛肉みそドレッシング
耐熱ボウルに鶏ひき肉100g、豆板醬小さじ1/2、砂糖小さじ1、みそ大さじ11/2、おろしにんにく少々、水大さじ2を入れてふんわりラップをかけて電子レンジで4分加熱して混ぜ合わせる。
あったかポイント
鶏肉と豆板醬の唐辛子、みそ、にんにくが体を温める。
韓国風ホットドレッシング
コチュジャン・酢・しょうゆ各大さじ1、はちみつ小さじ1を混ぜ、ラップをかけて電子レンジで40秒加熱。最後にごま油大さじ1、白ごま少々を混ぜ合わせる。
あったかポイント
コチュジャンに含まれる唐辛子、酢が体を温める。
撮影/菅井淳子
※女性セブン2023年12月14日号
https://josei7.com/
●熱を加えたトマトにお酢をプラスして!管理栄養士が教える体にいい温野菜レシピ「フルーツトマトにとろーりチーズ」他