《シニア世代が使いやすい冷蔵庫》5つのポイントと選び方を家電のプロが解説「手が届く高さ、引き出しの開けやすさ、庫内の明るさも確認を」
年を重ねるにつれ、冷蔵庫の最上段や棚の奥に手を伸ばすのに一苦労。見えにくい場所にある食材をムダにしてしまうことも…。シニア世代に使いやすい冷蔵庫とはどんなものなのか。家電ライターの田中真紀子さんに教えてもらった。
教えてくれた人
田中真紀子さん / 家電ライター
家電ライター/家電を生活者目線で分析し、雑誌やウェブで紹介する家電のスペシャリスト。特に白物家電・美容家電に詳しい。自宅には最新家電を中心に200以上を所有し、年間300以上の記事執筆・監修に携わる。テレビ・ラジオにも多数出演。公式HP https://makiko-beautifullife.com/
高齢者が使いやすい冷蔵庫5つのポイント
高齢者が使いやすい冷蔵庫の特徴とは? 田中さんは、「主に、冷蔵庫の高さ、ドアや引き出しの開閉のしやすさ、庫内の見やすさ」だという。
1.冷蔵庫の高さや扉の位置をチェック
まずチェックすべきは、冷蔵庫の高さだ。
「背が高すぎず、最上段まで手が届きやすいものがおすすめです。冷蔵庫は一般的に最上段に手が届きにくく、見えにくいので、最上段に入れたものがムダになりがち。
また、高齢者の中には、手を伸ばす動作がしんどくなってくることもあるでしょう。選ぶ際は実際店頭で見て、最上段まで手が届くか確認を」(田中さん・以下同)
一般的なファミリータイプの冷蔵庫は高さが180cm程度もあり、小柄な女性だと最上段は届きにくい。そこで、高齢者2人暮らしであれば、高さはおおむね175cm以下を目安に選ぶといいという。
「ただし、今は大きめの方が省エネ性はが高いので、あえて大きめのタイプを買って、最上段には何も入れず、手が届く範囲に作り置きの惣菜や調味料のストックなどを入れておく、という使い方もアリでしょう」
冷蔵室の扉の位置や使い勝手も要チェックだ。
「扉の位置も低い方が、ドアポケットから重いペットボトルを出し入れする際に高く持ち上げずに済みます。こちらも店頭で扉を開けてみて、確認すると安心です」
高齢化世帯が増える中、昨年ツインバードから小柄の人も使いやすい仕様の『背伸びせず使える冷蔵庫』『中身が見える冷蔵庫』が発売され、話題となった。
→シニアにすすすめ「背伸びせず使える」「中身が見える」冷蔵庫って?注目の新商品の特徴を解説
2.ドアや引き出しの開閉しやすさを確認
ドアや引き出しの開閉がラクにできるかも、大事なポイント。
「特に引き出しはたくさん入れると重くなるので、ボタンを押すだけで自動で開く電動式が便利です。電動でなくても、重さを分散するレール採用で軽い力で開閉できるものや、奥までフルオープンするものが使いやすいです。
ほか、冷蔵室の観音扉もタッチまたは非接触で自動で開くものもあります。力が要らないだけでなく、両手に物を持っているなど手が使えないときも助かります」
3.庫内灯が明るくて見やすいか?
庫内灯の明度も重要だ。庫内だけでなく扉にも明るいLEDライトを搭載しているものも登場しているという。
「庫内に物をたくさん入れると、中が見えにくくなりますが、庫内灯が明るいと中が見やすくなります。奥にしまったものにも気づきやすく、フードロスも防げると思います」
4.ボタンや液晶パネルの文字が見やすく、押しやすいか?
ボタンや液晶パネルの使いやすさも見ておきたい。
「使用中に操作が必要なものに関しては、大きくて押しやすく、見やすいものを。ボタンが小さいと押しにくく、表示が見にくいと誤操作につながりますので、避けたほうが無難です」
スマートフォンやタブレットのアプリを使うことに慣れている人は、次の機能もあるとベター。
「ゴミの日など忘れがちな予定を冷蔵庫が音声で知らせてくれるもの、冷蔵庫を開閉すると離れて暮らす家族に通知され、さりげなく見守りできるものなどもあります。いずれもアプリとの連携が必要になるので、スマホやタブレットを使い慣れている場合は検討してみるといいでしょう」
5.野菜室は真ん中か下段か「使用頻度」を考えて選ぶ
冷蔵庫を選ぶ際に悩みがちなのが、野菜室と冷凍室のどちらを真ん中に持ってくるか、という問題だろう。
「基本的には、大根やキャベツ、白菜など重い食材を入れることが多い野菜室を真ん中に持ってくるのがおすすめです。
野菜室が下段にあると、かがんで出し入れすることになり、腰やひざに負担がかかる場合もあります。一方で、冷凍食品を使う頻度が高いなら、冷凍室が真ん中にあるタイプが合っています。要は、使用頻度が高い方を『真ん中』にすると使いやすいといえます。
冷蔵庫を買い替えるにあたって、野菜室と冷凍室の場所を入れ替えると、使い慣れないうちは、うっかり野菜を冷凍庫にしまって凍らせてしまった…なんてことも。自分にとってどちらが使い慣れているかを基準に考えるのも一つの方法です」
このほか、扉が開いていることを知らせる警告音(ドアアラーム)の音が高齢になると聞こえにくいという声も。どこの場所が開いているか液晶に表示されるタイプも登場している。
シニア世代におすすめの最新冷蔵庫3選
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