“新築・有名・近所”が揃った施設は注意すべし!現役介護福祉士が教える【後悔しない高齢者施設・住宅の選び方】見学前は「施設名 行政処分 行政指導」で検索がおすすめ【見学時のチェックリスト付き】
高齢化に伴い、ケアに注力している高齢者施設に“終の住処”として入居する人が増加傾向にある。ただし、入居した後「やっぱり別の場所がよかった」と後悔してもリカバリーが難しい場合も…。老後を安心して暮らしたいからこそ、前もって慎重に情報収集したいもの。介護のプロに高齢者施設・住宅の失敗しない選び方を聞いた。
教えてくれた人
岡本典子さん/ファイナンシャルプランナー
FPリフレッシュ代表。「終のすみか探し」コンサルタントとして活動。約250の施設を見学。著書に『イザ!というとき困らないための親の介護と自分の老後ガイドブック』(ビジネス教育出版社)など。
“終の住処”選びは介護度や重要事項説明書のチェックが大切
“終の住処”と思って選んだ高齢者施設。しかし、入った後に「話し相手がいない」「スタッフの入れ替わりが激しくて落ち着かない」と気づいたところで後の祭りだ。
高齢者施設・住宅は下記のように8類型に大別され、介護度によって入居できる施設が決まっている。しかし、条件が合致しても、入居してみてわかる現実も。
「入居後の“こんなはずじゃなかった”を防ぐには、事前に自分と同程度の介護度の人が多いかを確認し、施設の『重要事項説明書』をよく読むことが大切。金銭面での問題も多いので、入居金、そして居住費、管理費、食費などの月額費用を確認しておきましょう」(ファイナンシャルプランナー・岡本典子さん)
ひと目で分かる!主な高齢者施設・住宅8類型の特徴
※岡本典子さんへの取材をはじめ、複数の資料を参考に編集部にて作成。
※◎○△×は各施設にご確認ください。
【民間の高齢者施設・住宅】
<1>介護付き有料老人ホーム
自立:○/要支援1~2:○/要介護1~2:○/要介護3~5:○/認知症:○/およその入居金:0~数百万円/およその月額費:15万~30万円/特徴:自立型・混合型・介護型がある
<2>住宅型有料老人ホーム
自立:○/要支援1~2:○/要介護1~2:○/要介護3~5:○/認知症:○/およその入居金:0~数千万円/およその月額費:10万~30万円/特徴:介護は外部サービスを利用
<3>サービス付き高齢者向け住宅
自立:○/要支援1~2:○/要介護1~2:○/要介護3~5:○/認知症:△/およその入居金:0~数十万円/およその月額費:10万~25万円/特徴:介護度が高くなると退去の可能性も
<4>グループホーム
自立:×/要支援1~2:要支援2から/要介護1~2:○/要介護3~5:△/認知症:◎/およその入居金:0~数十万円/およその月額費:10万~20万円/特徴:認知症の人に特化した施設
【公的の高齢者施設】
<5>ケアハウス
自立:○/要支援1~2:○/要介護1~2:○/要介護3~5:○/認知症:△/およその入居金:0~30万円/およその月額費:7万~20万円/特徴:自立型と介護型に分かれる
<6>特別養護老人ホーム
自立:×/要支援1~2:×/要介護1~2:×/要介護3~5:○/認知症:○/およその入居金:なし/およその月額費:6万~20万円/特徴:比較的安価で利用できる
<7>介護老人保健施設
自立:×/要支援1~2:×/要介護1~2:○/要介護3~5:○/認知症:○/およその入居金:なし/およその月額費:8万~20万円/特徴:リハビリが中心
<8>介護医療院
自立:×/要支援1~2:×/要介護1~2:○/要介護3~5:○/認知症:○/およその入居金:なし/およその月額費:10万~20万円/特徴:医療ケアを必要とする人が対象