兄がボケました~若年性認知症の家族との暮らし【第270回 頑張っていたね、わたくし】
ライターのツガエマナミコさんは、8年もの間認知症の兄のサポートを続けてきました。その兄が、ついに特別養護老人ホームに入所。その日から、一週間が過ぎました。入所当日は、兄のいないリビングを見て、寂しさがこみ上げたマナミコさんでしたが、感傷にひたってばかりもいられません。近況を綴っていただきました。
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一人暮らし満喫中
おかげさまで一人暮らしに慣れてきたツガエでございます。
環境に順応しやすいのでございましょうか。介護ロスはあっという間に吹き飛んで、涙ぐんだことも遠い過去になりました。一人でも意外にやることが多いので「介護がなくてもそんなに暇じゃない」と面食らっております。
入所時にヒゲソリを忘れてしまったので3日後に届けたり、施設からのお電話で足らないものをリクエストされたりで、まだまだ世話のかかる兄でございます。そろそろ秋冬の洋服を届けなければなりませんし、先日は、ちょっと物が置けるテーブルワゴンを追加で持参いたしました。
兄の様子はというと、最初の面会時こそ、目を開けることがあまりなく、笑顔がありませんでしたが、さすが兄妹、兄も環境への順応性が高いと見えて、2回目からはわたくしの顔を見るなり「ヤッホー」と笑顔で迎えてくれました。スタッフの方からの苦情もなく、安定した様子でございました