古い情報をアップデート! 「ウオーキングは1日6000歩」「理想の睡眠は6~7時間」健康効果を高める最新情報を医師が解説
「夏場にエアコンをつけっぱなしにして寝ると風邪をひくと言われてきましたが、むしろ室温が高く蒸し暑い部屋で寝ると、睡眠の質が下がるほか、熱中症のリスクも高まります。エアコンの風が直接当たらないように気をつけながら、室温を25~27℃程度に保つようにしてください」(同前)
<老化の新常識3>【旧】半身浴で体の芯まで温まる→【新】時間がかかるので疲れや水分不足に
入浴時の健康法として定着しているのが「半身浴」だ。肩まで湯船に浸かる全身浴に比べ、腰までしか浸からないことで胸に水圧がかからず、心臓にかかる負荷が少ないとされる。体の芯まで温まり、代謝がアップするなどのメリットが挙げられてきた。
しかし、入浴や温泉療法の研究を専門とする東京都市大学人間科学部教授の早坂信哉医師はこう語る。
「体の芯まで温まるという観点で言えば、半身浴より全身浴のほうが効率的です。40℃のお湯に全身浴で10分間浸かることで体温が1℃上昇するとされていますが、湯量の少ない半身浴は体が温まるまで時間がかかる。長時間の入浴は疲れや水分不足にもつながります。
全身浴でスムーズに体温を上げることによって、代謝のアップに加えて血流の改善やむくみの解消といった効果が期待できます」
続けて早坂医師は「全身浴のほうがリラックス効果も期待できる」と指摘する。
「水に浸かっている身体の体積に比例して浮力が生じます。全身浴で肩までお湯に浸かると、浮力によって自力で支える身体の重さは体重の10分の1程度になるため、その間は筋肉が緊張から解放されてリラックスしやすくなります。半身浴では浮力も少ないので、そのぶん筋肉で支えなければならないので疲れやすくなる」
こうした理由から早坂医師が推奨する入浴法は「40℃のお湯に10~15分の全身浴」だという。
「これからの季節はお湯の温度を若干下げて、38℃くらいのぬるま湯に炭酸系の入浴剤を入れても効果的です。炭酸ガスは皮膚から吸収されることで、温度に関係なく血管の拡張効果が期待できます。毎日入浴することで将来の要介護リスクが下がることもわかっているので、夏場でも毎日全身で湯船に浸かることを勧めます」
※週刊ポスト2024年7月12日号
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