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GWのお出かけにいかが?【三重・鳥羽水族館】ジュゴンとマナティーが同時に見られる!「国内に3頭しかいないラッコ2頭に会えるのはここだけ」

 ゴールデンウイークは「動物に癒されたい!」と考えている方に、おすすめのスポットを紹介します。日本最大級の水族館、三重県『鳥羽水族館』は約1200種3万点の展示生物が見られて大人気。希少なラッコやジュゴン、アフリカマナティーなどにも会えちゃいます。一日中いても飽きないので、たくさんの海洋生物を観察しながらゆったりと過ごすのにおすすめの『鳥羽水族館』をご紹介!

国内に3頭しかいないラッコに会える!

 平日の朝8時30分。開館1時間前にして入り口には行列ができていた。皆の目当ては、9時40分から始まるラッコの「お食事タイム」。それほどラッコの人気は高い。それもそのはず、いま日本にいる3頭のラッコのうち2頭が鳥羽水族館で飼育されているからだ。

「当館では1983年から40年以上ラッコの飼育を続け、これまで14頭に携わりました。現在は、メスの『メイ』(19才)と『キラ』(15才)を6人の飼育員と獣医で担当しています」(鳥羽水族館飼育研究部・南理沙さん)

 かつて日本の水族館に122頭いたラッコだが、アメリカの法律によって捕獲が禁止され、新たな個体が入ってこなくなった。日本での繁殖は成功していたが、繰り返し世代を重ねるにつれて繁殖できなくなる個体が増え、少しずつ数が減少した。ラッコの飼育下での平均寿命は約20才のため2頭とも高齢。いまは一日でも長く元気に暮らせるよう注力しているという。

「1日3回行われる『お食事タイム』では、高所に投げた餌(イカミミ)をジャンプしてとってもらったりしていますが、これらは芸ではなく健康チェックの一環。いやなことはさせず、ストレスのないよう、そして少しの変化も見逃さないよう注意しています」(南さん)

ジュゴンとマナティーが唯一、同時に見られる

 鳥羽水族館にはこのほか、日本でここにしかいないジュゴン(推定37才・メス)がいる。同じ草食性の海獣・アフリカマナティーと同時に見られるのはここだけだ。貴重な“彼ら”に会おうと平日も混んでいるが、並んででも見る価値がある。

スナメリの繁殖は世界初!レッドリスト記載種も続々!!

 動物園・水族館の役割のひとつとして、種の保存のための“繁殖”があるが、鳥羽水族館でもラッコ(メイも鳥羽水族館生まれ)をはじめ、多様な海洋生物の繁殖に成功している。特に、小型のイルカ「スナメリ」は、1963年から飼育を続け、1976年には世界初となる飼育下での繁殖に成功。国内随一の成果を誇る。ほかにも、レッドリストに記載されているバイカルアザラシやイロワケイルカ、スナドリネコも繁殖に成功。かわいい赤ちゃんたちが見られるのも魅力だ。

レッドリストとは?

 絶滅の恐れのある野生生物をリストアップし、データベースにまとめたものを「レッドリスト」と呼ぶ。スイスのグランに本部を置く、国際自然保護連合(IUCN)により発表されている。

鳥羽水族館で絶対に見ておきたい人気の絶滅機種はコレ!

file1 ラッコ

かわいい&賢い&仲よし!お食事タイム」は必見!!

<生態>

●生息地/千島列島、アラスカ、カリフォルニア沿岸
●大きさ/体長100~150cm
●餌/メイの好物はイセエビとカニ、キラの好物はイカ、貝

ラッコが絶滅危惧種となったのは主に海洋汚染や、シャチやサメなどに襲われることが原因。「カワウソが海に適応して進化したのがラッコです。海獣で唯一、道具が使えるほど手先が器用で賢いのがが魅力です」(南さん)。とにかくしぐさがかわいい。そこから興味を持って、ラッコの知識を深めてほしいという。

※「ラッコのお食事タイム」は、メイとキラの体調により、時間の変更や中止となる場合がある。土・日曜・祝日の一部時間帯やGWなどの繁忙期には、観覧制限を設ける場合もあるので、事前に確認を。

file2 ジュゴン

日本で唯一飼育&飼育日数世界記録達成

<生態>
●生息地/インド洋、西太平洋、紅海
●大きさ/体長約3m
●餌/当館では海草(アマモなど)、ロメインレタスなど

 “人魚”のモデルとされる大型草食獣で絶滅危惧種。鳥羽水族館の飼育技術が認められ、1987年4月15日にメスの「セレナ」が入館した。「1日25kg以上食べるので新鮮なアマモの確保が大変。鮮度が悪いと消化不良につながるので」と、鳥羽水族館飼育研究部・仲田夏希さん。仲田さんたちの努力で確保された餌を食べる姿は愛嬌満点!

◆鳥羽水族館

 1955(昭和30)年、日本で26番目の水族館としてオープン。自然の環境を再現したゾーンが12あり、展示生物は約1200種3万点で、国内最大級。ジュゴン(「人魚の海」にて)やアフリカマナティーなどの珍しい海洋生物をはじめ、スナメリ(「伊勢志摩の海 日本の海」にて)なども必見。

住所:三重県鳥羽市鳥羽3-3-6
営業時間:9:30~17:00(最終入館16:00)
料金:大人2800円

取材・文/前川亜紀 撮影/ウエスト 地図/もりそん

※女性セブン2024年4月25日号
https://josei7.com/

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