介護施設訪問レポート|介護付きとサ高住のいいとこどり!住宅型有料老人ホーム(前編)
高齢者向けの住宅の中から、話題の施設をピックアップ。記者が訪問し、施設で働く人の思い、設備、サービスなどをレポートする。今回は、千葉県流山市にある介護付き有料老人ホーム「グッドタイム リビング流山 弐番舘-おおたかの森-」だ。
グッドタイム リビング流山 弐番舘-おおたかの森-
つくばエクスプレス、東武野田線(東武アーバンパークライン)流山おおたかの森駅の周辺は近年、住環境が整備され、移り住む人が増えている。駅直結のショッピングセンター「流山おおたかの森S・C」は、百貨店の髙島屋系列の企業が運営。近隣には緑あふれる広い公園もあり、駅周辺は家族連れや近所の人で賑わっている。この地に3年前にできたのが「グッドタイム リビング 流山 弐番舘」。
ここでは入居者をゲスト、入居者の住まいのことをゲストハウスと呼んでいる。そして、ゲストが“よろこびのある暮らし”を送れるように“最良のケア” “賑わいのある毎日”“温めてきた想いや夢を実現すること”が使命だと謳っている。
毎日3つ以上のアクティビティプログラムを実施
「ゲストハウスはゲストの家。だからこそ、その方らしい生活を営んでいただきたいと思っています。アクティビティは、楽しみであり、社会参加でもあります。朝から夕方まで、健康や文化、教養に趣味、遊びや鑑賞と、各分野のプログラムをご用意しています。専用のお部屋を準備し、決して片手間では運営できませんので担当のスタッフを配置しています。様々な角度からプログラムを考え、当日のオペレーションまで行う、いわばパフォーマーでもあります」(グッドタイム リビング 流山 弐番舘・ジェネラルマネージャーの岩月洋治さん)
離れのように建っているのはクラブサロン「こもれび」。ここは貸し切りで使うこともできる。アクティビティで使うだけでなく、家族との団らんにも活用されているという。
ゲストからのリクエストで始まったプログラムやスタッフ自身の趣味からプログラムに発展したものもあるという。入居者は毎朝掲示板を見て、何に参加をするかメモをしながら楽しみにしているそうだ。
「クラブ活動の部屋は、カルチャーセンターでもあり、教室でもあり、フィットネスジムや映画館、カラオケBOXでもあります。また、2か月に1回のペースで外出プログラムも企画し、スタッフと一緒にお出かけをしています。最近はお花見に行ってきました。ゲストの皆さまが毎朝『今日は何をしようか』と、ワクワク感を感じていただけるようなクラブ活動を続けていきたいです」(岩月さん)
“住宅型”有料老人ホームの利点とは
「グッドタイム リビング 流山 弐番舘」は、“住宅型”有料老人ホームだ。有料老人ホームには他に、介護付、健康型がある。住宅型は自立の人も入居できる。そして、介護が必要な状態になれば、入居者本人が訪問介護などの介護サービスを選択して、そのまま住み続けることができる。ここでは併設されているオリックスリビング運営の訪問介護事業所を利用することも、他を選択することもできる。
「弊社の住宅型老人ホームは、スタッフが24 時間常駐し、介護サービス提供時間以外にも見守りをはじめとした各種サービスを提供しています。また、どちらかが自立、どちらかが介護が必要というご夫婦がそろってご入居を検討される場合、自立から要介護の方までが入居でき、それぞれの生活スタイルに合わせられる住宅型有料老人ホームが適しているといえるのではないでしょうか」(オリックスリビング広報)
住宅型は、介護付の手厚さとサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の気軽さの、いいとこ取りの存在といえるのかもしれない。
食事には入居者の意見も反映
ゲストハウスというコンセプトに欠かせない要素である食事。ここでは、刺身や天婦羅、鰻、とんかつなどが出る月に3回の特別料理の日がある。入居者の声から生まれたこの企画は、毎回約半数の人が注文する人気を集めているという。
「1日3 回のお食事にも力を入れています。毎食2種類をご用意し、健康を気にされる方、嗜好を重視される方、それぞれの思いに合わせて自由に選んでいただけるようにしています。さらに、“嗜好調査隊”やゲストとの“お食事懇談会”など、お食事の質向上に積極的に取り組んでいます。スタッフと管理栄養士からなる“嗜好調査隊”は、お食事中のゲストからご意見をいただき、次回の献立づくりに役立てています。また、“お食事懇親会”は、ゲストにも加わっていただいていますが、その意見交換の中から生まれたメニューもあります」
ゲストに日々の暮らしを楽しんでもらうために行っている数々の施策。館内でゆっくりと穏やかに過ごしている入居者の様子を見ると、3年間の運営でしっかりとコンセプトが浸透しているのを感じた。
撮影/津野貴生
【データ】
施設名:グッドタイム リビング 流山 弐番舘-おおたかの森-
公式WEBサイト:https://www.orixliving.jp/guesthouse/project26/
所在地:千葉県流山市市野谷774番地の1(新A47街区6)
最寄駅:つくばエクスプレス、東武野田線(東武アーバンパークライン)「流山おおたかの森」駅南出口より徒歩約8分(約620メートル)
類型:住宅型有料老人ホーム
事業主体:オリックス・リビング株式会社
敷地面積:1967.96平方メートル
延床面積:4045.39平方メートル
室数:77室(全個室/定員85名)。お一人様タイプ69室(標準タイプ62室、ラージタイプ7室)、お二人様タイプ8室
入居要件:概ね65歳以上 入居時 自立・要支援・要介護
構造:鉄筋コンクリート造 地上5階建
開設年月日:2016年6月1日
料金:入居一時金等+月額利用料
(1) 入居時81歳以上の場合
●お一人様タイプ(標準):入居一時金等1070万円(初期償却266万円+入居一時金804万円)+月額利用料23万1500円(内訳:家賃相当額5万円+管理費15万4500円+食材費2万7000円)
●お一人様タイプ(ラージ):入居一時金等1466万円(初期償却368万円+入居一時金1098万円)+月額利用料25万1500円(内訳:家賃相当額6万円+管理費16万4500円+食材費2万7000円)
●お二人様タイプ(二人入居):入居一時金等1885万円(初期償却475万円+入居一時金1410万円)+月額利用料43万8000円(内訳:家賃相当額10万5000円+管理費27万9000円+食材費5万4000円)
(2)入居時81歳以下の場合
●お一人様タイプ(標準):入居一時金等1574万円(初期償却330万8000円+入居一時金1243万2000円)+月額利用料21万1500円(内訳:家賃相当額3万円+管理費15万4500円+食材費2万7000円)
●お一人様タイプ(ラージ):入居一時金等2048万8000円(初期償却427万6000円+入居一時金1621万2000円)+月額利用料24万1500円(内訳:家賃相当額5万円+管理費16万4500円+食材費2万7000円)
●お二人様タイプ(二人入居):入居一時金等2797万円(初期償却587万8000円+入居一時金2209万2000円)+月額利用料40万3000円(内訳:家賃相当額7万円+管理費27万9000円+食材費5万4000円)
※施設のご選択の際には、できるだけ事前に施設を見学し、担当者から直接お話を聞くなどなさったうえ、あくまでご自身の判断でお選びください。
●福祉先進国デンマークの理念を取り入れた介護付き有料老人ホーム<前編>