兄がボケました~若年性認知症の家族との暮らし【第225回 入所申請書を出したところ、なんと】
若年性認知症を患う兄と暮らすライターのツガエマナミコさん。兄は、穏やか性格ですが、症状が進行してくる中で、排泄や食事を自分ではうまくコントロールできなくなってきています。特にマナミコさんを悩ませるのが、家中、あらゆるところで、大きい方も小さい方も排泄してしまうこと。在宅でのケアに限界を感じ、介護施設入所を視野に入れ始めたマナミコさんは、早速、兄に特別養護老人ホームでのショートステイ試してみてもらったものの、本当に兄のケアを施設にお任せしていいのか逡巡する日々。そんな中、大きく事態が動き始めたようです。

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「こちらとしてはお受け入れの方向で考えています」
兄の人生をわたくしが決めていいのか?と葛藤する日々に、ついに終止符を打ちました。特別養護老人ホームへの入所希望申請書を出したのでございます。
どうせ、申請書を出したところで、すぐに入所できるわけがないと思っておりました。緊急度が高い順に入所が決まるという説明だったからでございます。兄程度ならデイケアやショートステイをもっと頻繁に活用すれば在宅介護も可能と評価される。それなら今から希望表明しておいてもいいなと重い腰を持ち上げたのです。提出後も「どうせ無理。きっと何年も待つだろう」と勝手に覚悟しておりました。
そんな数年計画でおりましたところ、先日施設から「申請書を拝見しました」とお電話をいただきました。「先月ショートステイをご利用されましたので、ご本人さまのご様子は見ております」と続き、「本当に入所を検討されているということで